文科省の来年度概算要求、科研費を倍増要求へ…国際共同研究や若手研究者支援など拡充

文部科学省は来年度予算の概算要求で、学術研究を幅広く支援する科学研究費助成事業(科研費)に、今年度から倍増となる4552億円を盛り込む方針を固めた。要求通りになれば、過去最大規模となる。全ての科研費を基金化し、複数年度にわたって柔軟に研究費を使えるようにする方針で、高市首相が掲げる「新技術立国」の実現に向けて基礎研究力の向上を図る。
科研費は、研究者の自由な発想に基づいて行われる学術研究を発展させるため、国が拠出する最大規模の公的研究資金だ。専門家による審査を経て支給される仕組みで、近年は2400億円前後で推移していた。
文科省は今回の概算要求の増額分について、各省庁の要求に上限を設けない特別枠「『強く豊かな日本』投資枠」を活用する。
拡充するのは、国際共同研究や若手研究者に対する支援のほか、既存の学問体系では取り扱わない新領域に関わる研究支援の枠組みなどだ。また、年度内に研究費を使い切る必要のあった支援事業を全て基金化し、研究の進展に応じて複数年度分の資金を柔軟に使えるようにする。
科研費を巡っては、日本の科学技術力の低迷が続く状況に危機感を強めた経団連の筒井義信会長が5月、高市首相に科研費の早期倍増を提言。高市首相も「基礎研究力は国力に直結する」として、大胆な予算措置を検討すると伝えていた。