厚生労働省が2026年8月19日、ステージIVの大腸がんを宣告された女性の姿を描いた映画「ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記」とタイアップすると発表したことに対し、複数の国会議員を含め批判が相次いでいる。
厚労省の大臣官房総務課広報室の担当者は24日、J-CASTニュースの取材に対し、「掲出場所等については、当省としては、不適切な部分もあったと認識している」として謝罪した。
厚労省広報室の担当者「当省としても確認不足等があった」
厚労省による19日の発表によれば、今回のタイアップでは、普及啓発ポスターの作成や特設ページの開設を実施。
26年2月に作成したパンフレット「15歳~30歳代でがんと診断されたあなたへ がんの治療と暮らしを支える制度ガイド」の周知が目的だとしている。
このパンフレットでは、15歳から39歳までの世代を指す「AYA世代」のがん患者が利用できる支援制度やサービスをまとめている。
普及啓発ポスターは、「各都道府県、都道府県がん診療連携拠点病院を中心としたがん分野の関係団体等に掲出する予定」だとした。
映画は、21歳でステージIVの大腸がんを宣告された遠藤和さんの姿を描き、俳優・川口春奈さんが演じている。遠藤さんの手記が原作で、遠藤さんは抗がん剤治療を中断して娘を出産し、21年9月、24歳で亡くなった。映画は26年10月2日に公開する。
厚労省がタイアップを告知すると、SNS上では批判の声が相次いだ。「この映画タイトルを病院で目にしてしまったら精神的にとても辛い」「病院には生きるために通院してるんですよ」「治療をしている人の気持ちも考えてほしいです」などの声が上がっている。
AYA世代のがん患者・がんサバイバーで国民民主党の佐々木真琴衆院議員も23日にXを更新し、映画そのものや、遠藤さんの生き方について「否定するつもりは全くありません」としつつも、次のような批判を投稿した。
その他の国会議員もX上で、今回のタイアップを批判している。
厚労省の大臣官房総務課広報室の担当者は24日の取材に対し、元々この映画の制作会社からタイアップの依頼があったと説明。「当省内で検討した結果、がん・疾病対策課の施策周知と目的が合致しているというところで、タイアップをすることになりました」
SNS上で批判が寄せられていることについては、「普及啓発ポスターを見られた患者の方であったり、そのご家族の方への配慮が欠けるという点で、当省としても確認不足等があったという認識をしております」と説明。
24日正午時点では、「現段階で方針を精査中」だとし、今後どのような形になるかは周知するとした。また、「がんで闘病する患者の方や、そのご家族の方に対しては、お詫びしたい」としている。