内閣改造・自民党役員人事で高市首相は、「政権の骨格」とも言える自民党の鈴木幹事長、麻生副総裁、木原官房長官を続投させる方針を固めました。日本テレビ政治部・矢岡亮一郎官邸キャップが解説します。
――「政権の骨格」は維持…次の焦点は?
来年の自民党総裁選挙に向けたライバルの処遇です。
まず、小泉防衛大臣です。ある政権幹部は「海外の閣僚との関係構築がうまい」と外交手腕も評価していて、自民党内では「外交の継続性から、代えにくいのでは」との見方が出ています。
また小泉大臣は、核政策について「タブーなく議論」すべきと、閣僚としては少し踏み込んだ発言もしていますが、高市総理大臣に近い議員からは、「総理が表で言えないことを言ってくれている。代える必要はない」との声もあります。
小林政調会長についても政権幹部からは、政策の推進役として、与野党の調整に汗をかいた点を高く評価する声があります。
一方でこの政権幹部は、「小林政調会長が以前、高市陣営から出ていったことは、今でも影響しているのではないか」とも指摘しています。
実は小林政調会長は、かつて自身が総裁選に出る前、2021年の総裁選では、高市陣営の推薦人でした。
そこから一転、総裁の座を争う立場に転じたことが引っかかっているというわけです。小林政調会長に近い議員からは、「まだ若くてチャンスがある。次の総裁選は見送ってもいい」との声もあります。
つまり、今回は要職に留まり、次の総裁選では高市総理を支援し、「保守の後継者」の立ち位置を確立するのが得策だというわけです。
――林総務大臣は?
林総務大臣はこの4人の中で、高市総理と政策的に最も距離があります。
前回の人事では総裁選での敗因のひとつだった全国の党員票を伸ばすために、地方視察が多い総務大臣ポストを希望した経緯があります。
林大臣は1日に外国特派員協会で講演し、得意の流暢な英語でこう話しました。
林総務大臣
「地方を訪れて初めて 、気づくことがたくさんありました。今後も続けていきたい」
――続投を希望しているということ?
必ずしもそういう意味ではないようです。
林大臣周辺は、「地方視察は意識して増やしているが、無役になってもできる」として、閣内に留まる必要もない、と話しています。
――今回は初めて維新からも閣僚が出るという情報も
閣内に入ることはほぼ確実視されています。今週、高市総理に気になる動きがありました。
先月31日、高市総理は、総理官邸からほど近い議員宿舎に1時間半ほど滞在しました。秘書官が段ボールを抱えて出てきて、「荷物整理」だと説明していますが、同じ時間帯に、日本維新の会の藤田共同代表や最側近の木原官房長官も滞在したことから、人事をめぐって会談したのか、と一部で憶測を呼びました。
政権幹部の一人は、自民党内で役職希望アンケートを実施したことも踏まえて、維新との接触も「自然なこと」と話しています。
一方で、ある自民党のベテランは「高市総理が心を許せる人はそう多くない」と、別の高市総理に近い議員は「高市総理は、ある意味全員を敵だと思っている」と、人事は総裁選を見据えて警戒心を抱えながらやらざるを得ないと話しています。
政権発足からまもなく1年。新たな体制は、早ければ今月中旬にもスタートする見通しです。
――維新からの入閣は、高市首相と心の距離も近いということを意味?
そうです。それは吉村代表も明言していますし、維新から必ず入閣するという方向です。ただ、誰が入るのか、どのポストなのかが今後の注目点となってきます。