「エホバの証人」が成分輸血を事実上容認、信者が「自らの良心に基づいて」…「方針変更ではなく調整」

宗教団体「エホバの証人」が、成分由来の血液製剤による信者の輸血を事実上容認したことがわかった。信仰上の理由で輸血を拒否することで知られていたが、18日夜に教団ホームページで公表した声明で、必要な血液成分だけを補う「成分輸血」については信者の自己判断とすると明らかにした。
エホバの証人はキリスト教系で、米国に世界本部がある。同団体によると、日本国内の信者数は昨年9月時点で約21万人。
声明では、酸素を運ぶ「赤血球」や出血を止める「血小板」、血漿(けっしょう)、白血球の4種類の成分に由来する血液製剤などについては、信者が「自らの良心に基づいて判断する」との方針を示した。献血で特定の成分だけを採る「成分献血」も、信者が望めば認める。
血液中の全成分を採血し、保存液を加えた全血製剤の使用は「血は神聖」として引き続き認めない。
今回の判断について、同団体は「医療技術の進歩により、聖書の原則を様々な健康状況に適用することに多くの疑問が生じている」と説明。同団体日本支部は読売新聞の取材に「方針変更ではなく、調整だ」とコメントした。
日本赤十字社などによると、日本国内の医療機関で輸血が必要になった場合、現在は心臓などの負担軽減のため、成分輸血が主流となっている。
同団体を巡っては、離脱者支援の弁護団が2023年、教団が信者に子どもに輸血を受けさせないよう指導し、輸血拒否の意思を伝える「拒否カード」を持つ子どももいるとの調査結果を明らかにした。
弁護団メンバーで、自らの親も信者という中村大介さん(49)は「これまで命を懸けて輸血をしてこなかった信者の気持ちを考えれば、今後は信者の判断に委ねるという教団の決定は不誠実だ」と話した。