元気象庁長官「下水道から噴水のように逆流」「いつ何が起きてもおかしくない」と危険呼びかけ 伊豆諸島・大島町に「レベル5特別警報」“千葉豪雨”との比較も解説

気象庁は21日午後0時40分、東京都伊豆諸島の大島町に「レベル5土砂災害特別警報」を発表した。大島町では降り始めからの雨量が500ミリを超え、平年9月の1カ月分を大きく上回る大雨となっている。この緊迫した状況を受け、元気象庁長官の山本孝二氏と気象予報士の宇野日和氏が今後の気象リスクや取るべき避難行動について解説した。
【映像】「ゴー」と「噴水」のように水が噴き出した瞬間(21日・東京の様子)
■大島町で550ミリ超の大雨 「千葉豪雨」との比較と広がる危険度
大島町では21日午後1時過ぎの時点で550ミリを超える大雨を観測。これは9月ひと月分の平年雨量の1.5倍以上に達する。また、静岡県天城山で350ミリ近い雨が降っているほか、千葉県内でも多くの地域で200ミリを超え、300ミリに迫る雨量となっている。
過去に深刻な被害をもたらした「千葉豪雨」との比較について、宇野予報士は雨の降り方の違いを解説した。千葉豪雨の際は、千葉市で24時間雨量367ミリを観測した。一方、茂原市や佐倉市などでは総雨量こそ200ミリ台にとどまったものの、1時間に100ミリを超える猛烈な雨が短時間に集中した。これに対し今回の雨は、すでに広範囲で24時間雨量が200ミリから300ミリ近くに達しており、総雨量が積み重なる形で土砂災害や浸水のリスクが広い地域で高まっているという。宇野予報士は「現在レベル5が出ている地域以外でも、危険度が徐々に高まっている」と注意を促した。
■災害発生の目安「雨量300ミリ」 都市部の排水能力を超える「内水氾濫」
山本氏は、過去の事例から「総雨量(または24時間雨量)300ミリ」が災害発生の一つの大きな目安になると指摘。関東全域で300ミリを超える可能性があり、いつどこで土砂災害や水の災害が起きてもおかしくない状況だと分析した。
特に都市部で懸念されるのが「内水氾濫」だ。山本氏によると、都市部の排水機能は東京都で時間70ミリ程度、千葉県などで時間50ミリ程度の雨に対応する設計が一般的となっている。しかし、線状降水帯などが形成されて1時間に80~100ミリの激しい雨が降ると都市の排水能力を容易に超えてしまうという。その結果、道路に水が溢れ出すだけでなく、下水道から「噴水のように水が上がってくる」といった現象や、河川の水位上昇に伴う排水不全が発生し、街中に水が留まる「内水氾濫」が起きやすい環境になると警告した。
■半地下駐車場や冠水道路の危険 命を守るための具体的対策
都市部や住宅街での対策について、山本氏は止水板や土嚢(用意できない場合は水を入れたビニール袋など)を自宅の前に設置し、浸水を防ぐ工夫を挙げた。特に地面より低い半地下構造の駐車場などは水が溜まりやすく極めて危険なため、水が入る前に車を高台などへ移動させておくことが望ましいとした。ただし、すでに浸水が始まっている場合は無理に屋外へ出ず、車庫などの低い空間には絶対に入らないよう呼びかけた。
避難のタイミングについて、山本氏は「レベル3で避難の準備をし、レベル4で避難を決断・実行する」という基本原則をわかりやすく説明。レベル5が発令されている地域や屋外への避難が危険な場合は、自宅の崖と反対側の部屋や2階以上の高い場所、あるいは近くのコンクリート製建物へ移動することが大切だと呼びかけた。
(『ABEMA NEWS』より)