【悲痛】「気に食わないと殴る蹴る」ミャンマー人労働者が訴える劣悪な労働環境とセクハラ被害の実態 暴行疑惑の実質的経営者は雲隠れ…

北海道京極町の農業法人で働くミャンマー国籍の労働者らが、実質的経営者の町議らから日常的に暴力や暴言を受けていたと訴えています。さらに給与の不当な天引きや劣悪な生活環境、セクハラ被害を訴え、労働組合が交渉を行うも町議は雲隠れを続けています。
(ミャンマー国籍の男性・30代)
「日本に来る前は日本人は優しく礼儀正しいと思っていました。しかし北海道に来て3日後暴力を受けました」
2026年5月、30代のミャンマー国籍の男性が特定技能労働者として北海道京極町の農業法人に就労しました。
しかし、農場を取り仕切る町議と、その息子から日常的に暴言や暴力を浴びせられていたといいます。
(ミャンマー国籍の男性)
「蹴られたり、頬や腕をたたかれたりしました」
日本語が通じなかったり、作業がうまくできなかったりすると、「お前はなにもできない」「クビにするぞ」などと暴言を吐かれたり暴力を振るわれたりしたといいます。
これは7月の労働時間を記録したもの。休みは…1日もなかったということです。
そして、就労開始から2か月後の7月中旬、過酷な労働環境と暴力に耐えかねた男性は退職届を提出しましたが、受理されませんでした。そのため、9日後に自ら寮を抜け出し、東京へと避難しました。7月分の給与は受け取っておらず、男性は町議とその息子に対する刑事告訴を視野に入れています。
この農業法人では、現在も20人以上の外国人労働者が在籍しているとみられています。被害の声は男性だけにとどまりません。
(ミャンマー国籍の男性)
「気に食わないと殴る蹴る、あとは毎日のように首を絞められていました」
札幌地域労働組合は、新たに10代から30代のミャンマー国籍の男女6人を保護しました。彼らも同様に、日常的な暴力と暴言に晒されていたと証言しています。
(農業法人で録音された音声 ※札幌地域労働組合 提供)
「日本のご主人様は誰だ?とりあえずお前ら明日から休みなく働け。言うこと聞かないんだから。ふざけんなよ、この野郎。俺が言ったことやらないならミャンマーに帰すからな」
保護された男性のうち1人は、金属製の棒で殴打されてケガをしたとして、すでに警察へ告訴状を提出しています。
被害は身体的なものだけではありません。金銭的な搾取も行われていました。
(農業法人で録音された音声 ※札幌地域労働組合 提供)
「弁償しろ、壊したんだから給料から引くからな」
東京へ逃れた男性の場合、6月分の給与は約11万円でしたが、チェーンソーを破損させたという理由で4万円が不当に天引きされ、手取りは約7万円にまで減らされていました。
労働者たちが生活する寮の環境も劣悪でした。食事は自炊が求められる一方で、キッチンにはネズミが出没するなど、衛生状態は極めて悪かったといいます。さらに女性労働者たちは、胸や尻を触られるなどのセクハラ被害に遭ったと訴えています。
(ミャンマー国籍の女性)
「人間として扱われないことが苦痛でした。人権があって働けるような国ではないように感じる毎日でした」
札幌地域労働組合は9月、農業法人側に謝罪と補償を求める2回目の団体交渉を実施しました。その結果、未払い賃金の一部や不当な天引き分など、合計約100万円が労働者側に返還されました。
しかし法人側は、暴力行為についてはほとんど認めていません。交渉の場に町議本人の姿はなく、直接の謝罪もありませんでした。
(橋本雅之フィールドキャスター)
「渦中の町議は一身上の都合さらには体調不良を理由に9月議会の全日程を欠席したということです」
問題の中心にいるこの町議は、一体どのような人物なのでしょうか。雲隠れを続ける町議を訪ね、直接取材を試みました。
(記者)
「お話しできないでしょうか」
(町議)
「取材はお断りしています」
(記者)
「少しお話伺えないでしょうか」
(町議)
「いいえお帰りください」
農業法人は取材に対して「事実関係について調査中でコメントできない」と回答するにとどまっています。
同僚の町議は次のように明かしています。
(京極町 城田幸俊町議)
「私も何度も見聞きしている。それをパワハラだと思って何回か(町議に)話をしたこともある。かなり熱くなってテーブルをたたいたりとかどなったり。相手を見て動く方」
京極町役場にはこの問題に関する苦情の電話が120件以上も寄せられているといいます。
(京極町 佐古岡秀徳町長)
「農業に限らず町にとって外国人がいないと産業が回らないという状況になっている。こういうことが絶対にあってはならないと思っている」
町長は、外国人労働者が安心して働ける環境を整えることが町の急務であるとの認識を示しました。
実は、この農業法人にはさらなる疑惑が…。
この町議らは過去に外国人の技能実習生の受け入れをめぐり、認定取り消し処分を受けたとされています。
2022年3月、町議と息子が役員を務める会社は、技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行ったとして、国から技能実習計画の認定を取り消されました。取り消しから5年間は、受け入れができないのですが、そのわずか47日後、同じ土地に「別の名義」で農業法人が設立されました。
“実質的な経営者”は町議とその息子で、今回被害を訴えたミャンマー国籍の特定技能労働者らを受け入れていたのです。
特定技能労働者を雇用する事業所では、法令違反が相次いでいます。厚生労働省が2025年の状況を公表しました。
悪質で送検された事例には、月100時間を超える違法な時間外・休日労働を行わせていたというものや、無資格でフォークリフトの運転をさせていたという安全基準に違反していたものがありました。労働基準監督署などが約6200の事業場で法令違反を確認したということです。
(読売テレビ「サタデーLIVE ニュース ジグザグ」2026年9月19日放送)