【永田町番外地】#96
日本維新の会が高市内閣に送り込んだ中司宏・規制改革担当大臣が10月5日の臨時国会開催を待たずに“お役御免”になるかもしれない。枚方市長時代の中司大臣が官製談合事件で懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受けたのは周知のとおり。この事件に絡み中司大臣に新たな“裏ガネ”還流疑惑が発覚したからだ。
27日付の赤旗日曜版が関係者の証言としてこれを伝え、さらに受け渡し現場の生々しいやりとりが翌日発売の週刊現代に掲載されるとあって本人の進退はもちろんのこと、首相官邸は、高市首相の任命責任が問われる事態も想定して国民世論の動向に神経ピリピリだ。
「どちらの記事も中司の側近だった元市議が、ゼネコンから受け取った3000万円の裏ガネの一部を中司本人に渡したとの証言を根拠にしています。事実なら収賄罪が成立します。ただ、すでに時効が成立していますから、残念ながら刑事責任は問えませんね」(全国紙デスク)
とはいえ、中司は大臣就任直後の記者会見で古傷を問われた際「私は道から外れることはしておりません」と言い、まるで冤罪被害者のごとく振る舞っていた。その舌の根も乾かぬうちの“裏ガネ”還流疑惑の浮上である。記者会見でのウソ答弁は当然ながら大臣としての資質が問われよう。
■前科持ちの内閣起用は29年ぶり
そもそも組閣の際、党内外からは中司大臣の古傷を不安視する声が上がっていた。「前科持ち」の閣僚起用は、橋本内閣で総務庁長官に起用された故・佐藤孝行元自民党総務会長以来、実に29年ぶりだった。あの時、60%近くあった橋本内閣の支持率は20ポイント近く暴落した前例がある。それだけに臨時国会を前に一連の中司疑惑報道で国民世論の怒りに火がつけば、高市内閣も無傷ではいられまい。中司を閣僚に送り込んだ維新・藤田執行部の責任問題も避けては通れない。さらには入閣候補の身体検査を担った国家情報局(原和也局長)は、今夏に内閣情報室から格上げとなったばかりだが、出だしから大チョンボである。
「今回の中司叩きの一連の動きは大阪維新の“反藤田派”の仕掛け説ともっぱらです。入閣確実といわれていた維新の馬場前代表はふっきれた感じで上機嫌だったとの話も漏れ伝わってきます。一方では来春の統一地方選を意識した大阪自民の関与が囁かれてもいます」(関西メディア関係者)
いずれにしても、これで国会は「中司大臣が否定するのなら、証言者の元側近市議を招致しろ」の騒ぎになって、テレビも大きく報じることになるだろうから、高市内閣の支持率がどこまで急落するかが当面の焦点となりそうだ。 (特命記者X)