簗和生農林水産相は5日、今年2月の衆院選で自身を支持しなかった首長の自治体予算の恣意的削減発言に関し、記者団の取材に応じた。
発端は今月1日に発売された「週刊新潮」(新潮社)の見出しに踊った「『高市首相』の目は節穴か『新農水大臣』簗和生の“恫喝音声”」という特集記事だ。簗農相は今年5月、栃木県大田原市で開かれた自民党員らとの懇親会で「(同県)那須烏山市と那珂川町の2026年度の道路予算は大幅にカットした」などと発言したと報じている。翌2日、簗農相は国会内で会見し、“予算カット発言”をおおむね認めた上で、「表現ぶりが一部誤解を招くものだった」と釈明を繰り返した。
簗農相は比例北関東ブロック選出の衆院議員で、9月の内閣改造で初入閣した。2012年に33歳の若さで衆議院議員に初当選を果たし、当選はこれまでに6回。地盤は同市や那須塩原市などの栃木3区とし、国土交通大臣政務官や文部科学副大臣を歴任したやり手である。今年2月の衆院選では、高市早苗首相が那須塩原市に駆け付け、「とにかく私の大事なやなちゃん。私の知恵袋のやなちゃん。いなかったら大変、本当に大変です」などと簗農相への熱烈応援に声を枯らしていた。
そんな簗農相には、地元住民からも熱い信頼が寄せられており「簗農相は、これまでにも地元のお祭りやイベントには大小関わらず顔を出し、早朝から交差点に立っては出勤者や通学する子どもたちにもあいさつを交わしていました。また、地元の学生や旅行者が国会議事堂に見学へ行く際には自らが案内人を務めるほど、地元愛の強い印象がありました」といった簗農相を支持する声が多い。
その一方で、2021年の党会合でLGBTなど性的少数者をめぐり「生物学的に自然に備わっている『種の保存』にあらがってやっている感じだ」と発言し、一部の性的少数者からは反発の声が上がるほか、差別や偏見にもとづく発言だとして問題になった。
2024年には、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件をめぐり、実態と異なる形で政治資金収支報告書に記載していたことが発覚。当時の簗農相は、「同会で適正な処理がなされているとの認識の下で受領した。全額を正当な政治活動に充て、使途は国民にオープンにしており、裏金と言われるものは一切ない」と潔白を訴えていたが、党から役職停止6カ月の処分を受けた。
そんな経緯がありながらも、簗農相は第2次高市内閣に入閣し、裏金に関与した議員の閣僚起用に対しては野党や国民の間で大きな反発を呼んだ。
SNSなどでは、「はだかの王様」「壊れたテープレコーダー」などと表現され批判を浴びる“知恵袋のやなちゃん”。次なる知恵に頭を抱えていることだろう。