江戸川区教委 いじめ重大事態の検討せず 調査開始まで5年以上

東京都江戸川区の区立中学校で2018年度に女子生徒がいじめを受けて不登校になった際、区教育委員会が、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態に該当するかを検討せず、第三者委員会による調査開始まで5年以上かかっていたことが、関係者への取材で判明した。区教委が近く、第三者委の調査報告書の概要版を公表する予定。毎日新聞が入手した報告書は、学校と区教委の双方の対応を「推進法が求めている程度のいじめ対応ができていなかったことは明らか」と指摘している。
第三者委の調査は24年7月~26年3月まで実施。同会の報告書や関係者によると、当時中学1年だった女子生徒は、同じバドミントン部の女子から「死ね」「うざい」と言われるいじめを受けた。部活動内で、無視や仲間外れにされていると感じる状況もあった。生徒は不登校となり、両親は学校に、いじめが欠席の原因だと伝えていた。文部科学省のガイドラインでは、重大事態の一つの不登校の欠席の目安を年間30日程度としている。
報告書は学校側の問題点を「事実確認について組織的な対応ができていなかった」と指摘。背景や生徒間の人間関係などを十分に調べず、区教委への報告も生徒の欠席が始まってから約5カ月後だったとした。学校の配布物を、加害者から本人へ届けさせる不適切な対応もあった。
一方、区教委についても、「学校から(いじめ事案の)報告を受けた際、調査内容について詳細な報告を求めず、学校の対応の点検も行わなかった」と指摘。いじめによる欠席が30日以上続いていると把握後も、重大事態に該当するかの検討に、学校が把握している情報の確認や追加の調査を求めるなどをしなかったと批判した。
毎日新聞の取材に生徒の父親(51)は「こちらから区教委に重大事態としての調査を求めたことで、ようやく今回の調査につながった」と説明。その上で、「同様の被害者を出さないためにも、指摘を重く受け止めてほしい」と話した。
区教委は、「一切コメントできない」とした。【加藤佑輔】