海外の拠点で特殊詐欺グループの「かけ子」をさせる目的で女性を連れ去るなどしたとして、福岡県警が指定暴力団山口組系組員の男(50歳代)ら男女5人を所在国外移送目的略取と監禁の疑いで逮捕していたことが、捜査関係者への取材でわかった。県警は、特殊詐欺グループの背後に暴力団が関与し、海外に実行役を送り込んでいるとみて、全容解明を目指す。
捜査関係者によると、男らは共謀し、6月、男の知人女性(30歳代)を詐欺電話をかけるかけ子として海外の拠点に送るため、福岡市内のビルの一室に監禁し、車で福岡空港国際線旅客ターミナルまで連行した疑い。海外への渡航前に県警の警察官が女性を保護し、事件が発覚した。
県警は、男が特殊詐欺の実行役を集める「リクルーター」とみて調べる。県警がリクルーターを所在国外移送目的略取容疑で摘発したのは初めてという。
目立つ海外拠点
特殊詐欺を巡っては近年、日本国内での摘発が強化され、特殊詐欺グループが海外に拠点を置くケースが目立つ。日本警察と海外の捜査機関が連携し、摘発する例も増えている。
警察庁によると、昨年はカンボジアやフィリピン、マレーシア、タイの海外拠点で海外当局に拘束され、日本国内に移送されるなどして、54人(前年比4人増)が詐欺容疑などで摘発された。
リクルーターが「海外で簡単に稼げる仕事がある」などと特殊詐欺の実行役を募り、応じた人が詐欺行為に加担させられる事例が確認されている。パスポートやスマートフォンを取り上げられ、「帰るなら数百万円払え」と言われたり、指示に従わないと暴力を受けたりしたといった証言が得られているという。