「青信号でも進めない」だんじり2人死亡で噴出《祭りが迷惑》の声、”伝統”で済まない時代に何を受け継ぎ、何を変えられるのか

大阪府内でだんじりの横転事故が相次ぎ、男性2人が死亡、祭りの関係者16人が重軽傷を負った。亡くなった2人は、だんじりの側面に乗ってバランスを取る「たかり」役だった。
今回の事故で犠牲になったのは、見物客ではなく担い手の側だ。だが、SNSで問われているのは安全面だけではない。議論は、祭りのあり方そのものにまで及んでいる。文化の伝承と人命や生活について、令和の時代、どう折り合っていけばよいのだろうか。
大阪府泉佐野市と泉大津市で10月10日、だんじりの横転事故が相次ぎ、2人が死亡した。この事故をきっかけに、Xではだんじりのみならず、各地の祭りをめぐる体験談へと話題が広がっている。
【写真】泉佐野・泉大津のだんじりから阿波おどりまで、”祭り迷惑”論争の舞台
■参加・運営する人々とそうではない住民とのギャップ
中心となって参加・運営する人々にとっては大切な行事でも、そうではない住民には別の景色が見えている。全国から「お祭りによって困らされた」エピソードが上がるにつれ、受け止め方のギャップが浮かび上がっている。
たとえば、みこしの通行に伴う交通整理で、信号が青でも車を進められず、迷惑に感じたという投稿。広い公園の中を練り歩く形にはできないのか、と開催場所への疑問も示している。
配達ドライバーは、人通りに不安を訴えた。子どもの飛び出しや、酔った人が歩き回る様子を挙げ、事故にならないか怖いそうだ。
交通のみならず、「朝5時ごろからの大きな音はつらい」といった騒音面の疑問も出た。また、地域コミュニティゆえの難しさとして、「子どもたちが寄付を集めに来たため、断りづらかった」と明かす人もいる。地元企業に就職したというユーザーは、「地域密着」を掲げる会社の方針で、みこしを担ぐことになった経験を振り返る。
一方、これらの要素を、地域行事として受け止める意見もある。祭りだけでなく、花火大会やマラソン大会にも、それぞれ好きな人がいるのだから、お互い様だという考え方だ。
地域社会との接点を評価する声もある。数年ぶりにみこしを担ぎ、休憩中に地域の人とじっくり話した経験から、困ったときに助け合える関係性を再確認したようだ。
ネガティブな印象が変わった、という評価もあった。みこしの横断にいらだっていたが、子どもたちが笑顔で手を振ってくれたことで、不満が和らいだという。
■誰もが”祭りあるある”で語れてしまう
日本に暮らしていれば、あらゆる場面で祭りと出会う。みこしを担いだり、山車を引いたりと、主体的に参加しなくとも、商店街にぶら下がるちょうちんに秋の訪れを感じ、屋台の焼きそばやイカ焼きのにおいに腹をすかせたことは、少なからずあるはずだ。