高市早苗首相は19日の参院予算委員会で、食料品の消費税減税に伴う財源に関し「国債発行を否定するものではない」と表明した。これまで「国債に頼らず確保する」と説明していた。首相の答弁について、木原稔官房長官は記者会見で「従来の政府の方針に変わりはない」と強調した。
消費税減税関連法案は、20日の衆院本会議で審議入りする。給付措置を含め2年で約10兆円の財源が必要となるが、政府は具体的な財源を示していない。
首相は予算委で、財源確保に関し「予算編成改革という枠組みの中で税収動向も見極めつつ、歳出・歳入両面の見直しを進める」と説明。「債務残高対GDP(国内総生産)比を安定的に引き下げていく中でも可能となる財政規模を精査し、通年の国債発行額を適切にコントロールする」と語った。
首相の発言について、木原氏は会見で「あくまでも予算編成全体についての答弁だ」と述べ、方針転換ではないと強調した。首相も19日夜、自身のX(旧ツイッター)で「趣旨が異なる形で伝わっている」とし、「(減税の財源を)特例公債に頼らない方針に何ら変わりはない」と訴えた。
国民民主党の浜野喜史氏は、政府支出の削減で財源をまかなえば「減税の効果を消しかねない」と指摘。首相は「政策の優先順位を徹底的に洗い直す。減税や歳出増の効果を消失させるものではない」と反論した。
首相は「強い経済をつくることにより円の信認も高めていく」と強調。「『高市円安』だの『高市高金利』だの言われてきた。それは明確に否定する」と主張した。
衆院の内規に反して議員会館で政治資金パーティーを開催した関芳弘文部科学相に対し、首相は「襟をただして職務にまい進してほしい」と述べた。共産党の山添拓氏への答弁。
公明党の平木大作氏は、簗和生・前農林水産相の「予算カット」発言を巡り、予算配分に関する国会議員と省庁の接触記録の作成・保存を義務化することを提起。首相は「考えていない」と応じなかった。簗氏について「一国会議員として自ら説明責任を判断し、丁寧に責任を果たしてもらいたい」と述べた。
首相と全閣僚が出席した衆参両院の予算委の質疑は計4日間の日程を終えた。 [時事通信社]