千葉県の住宅地にある民泊施設で大騒ぎをしている利用客。全国各地で民泊が今、増加している中で騒音やごみのポイ捨てなど、利用客による近隣住民への迷惑行為が相次いでいます。
【画像】“迷惑民泊”に囲まれた住民「とにかく怖い」
民泊トラブル後絶たず
千葉県船橋市のとある住宅街の防犯カメラの映像。スマートフォンを持ちながら周辺を物色する男性。次の瞬間、戸惑う様子もなく住宅の敷地内に。
さらに、自転車を物色する様子もみられます。実は、この男性は隣の民泊の宿泊客。住民によると、不法侵入などのトラブルが後を絶たないそうです。
他にも…。
民泊客
「はははは!」
「ははははは!」
住宅街に響く大きな笑い声。
別の日には、道路を団体客が占拠し、周辺住民が通れない事態に。宿泊客がマイクロバスでやってきて、道路が使えなくなることもあると言います。
独自に条例制定も…
民泊トラブルが相次ぐ千葉県では、独自に条例を作る町もあります。
東京オリンピックの会場にも選ばれたサーフィンの町・一宮町。東京オリンピックの開催を機に、民泊が急増し、町は3年前に夜間の騒音やごみのポイ捨てなどを禁止する独自の条例を制定。トラブルが減ることが期待されましたが…。
一宮町の住民
「事業者に対しては、本当に注意喚起で終わっているという状況。事業者にしてみたらまるっきり効力のない条例」
民泊客
「フォー!」
奇声を上げてプールに飛び込む男性。一宮町の民泊ではこのような騒ぎが横行しているといいます。
夜になると…。
民泊客
「ハッピーバースデートゥーユー!」
「フー!」
住宅街に響くパーティーの声。盛り上がりがピークに達すると…。
民泊客
「踊りあかそう~」
備え付けのカラオケで大声で歌い出す集団も。
夜中に外まで響く大声。町全体がパーティー会場のようだと住民は語ります。
一宮町の住民
「毎日お祭り騒ぎで、もうこの町はパリピの聖地に陥っている状況」
「『あの○○さんところ、うるさかったね』とか、『いや、うちのところもうるさくてね』とか、そういう会話が自然に出るようになりましたね」
直接注意も“逆ギレ”
被害は騒音以外にも…。民泊の前で談笑する宿泊客。家の中に戻ろうとすると、道の側溝に何かを捨てる様子が…。
住民が後で確認すると、たばこの吸い殻がありました。
一宮町の住民
「今までにはなかったようなたばこの吸い殻が捨ててあったりとか、あと犬のふんがですね、そのまま放置されていたりとか。明らかに以前と変わってきてしまっています」
度重なるトラブルに耐えかねた住民が直接注意すると…。
近隣住民
「夜中に(声が)響いちゃうんだよ。借りるにもルールあるべ?」
民泊客
「あるっすよ。騒ぐな!って声が一番うるさいと思うんで」
注意する住民の声がうるさいと逆ギレ。住民によると、こういった宿泊客は珍しくないと言います。
トラブル相次ぎ引っ越しも
相次ぐ騒音トラブルを理由に、一宮町からの引っ越しを決断する住民もいます。
騒音被害で引っ越した住民
「サーフィンを夫婦でやっているのと、東京への通勤を考えて、ベストな場所はどこだろうということで一宮に転居しました」
20年ほど前に一宮へやってきたという女性。当初は趣味のサーフィンを楽しめる場所として気に入っていましたが…。
「結構深夜になっても朝方まで喋ってたりとか、まあそういうのが非常にうるさいし、もう本当にここはクラブですかっていうような音楽かけたりとか」
「(Q.だいぶうるさい感じ?)うるさいです。本当うるさい」
数年前から民泊客の騒音に悩まされることに。業者や行政に苦情を入れたものの、一向に改善の気配はありませんでした。
耐えかねた女性は先月、千葉県内の別の町に転居したといいます。
「(騒音が)日常だっていう生活を、この先何年続けるんだろうっていう。そんなこと考えてイライラしているんであれば、もう転居したほうが幸せなんじゃないかということで(引っ越しに)踏み切りました」
町「対応に限界」
民泊について一宮町は…。
一宮町担当者
「現状、条例でできるのは口頭や施設訪問などでの指導によるものに留まり、業務停止命令などは出せない。この権限は保健所を設置している県にあるため、町だけでは対応に限界がある」
一宮町は7月、県に対し指導体制の強化や職員の派遣などを求める要望書を提出。番組は、千葉県にも対応について聞きました。
千葉県 担当者
「民泊事業に関する事情は県内でも場所によって異なっており、一宮町に限定した条例を作ることは今すぐにはできない。県内全域での民泊問題に関する実態調査を進めており、今後どういった対応ができるか検討を進めている」
県は、今後は一宮町と保健所で連携して対応していくとしています。
一宮町の住民
「一番言いたいことは、住民が住んでいる住宅地のど真ん中には、そういったもの(民泊)は、もう禁止をするということですね。この町には(リゾート民泊のような)そういった施設は似合わないと思っています。出て行ってほしいですね」
民泊囲まれ「とにかく怖い」
東京・大田区の住宅街です。こちらフェンスに「民泊反対」「民泊迷惑です」と書かれた張り紙が貼られています。そして英語、さらに中国語で表記されています。
住宅街のあちこちに見られる民泊反対の張り紙。大田区では民泊に関する苦情が、24年度の68件から昨年度は298件と4倍以上に増加しています。
夜の住宅街に響く車のドアの音。家の外まで響く声も…。大田区の住宅街でも民泊客による騒音トラブルが絶えないと言います。
民泊の隣の住民は、次のように話します。
民泊の近隣住民
「緊急連絡先が書いてあったので、ちゃんと管理してくれると思っていたんですよ。なんですけど結局、営業開始されたら、もうトラブルばかりでした」
騒音対策として住民は窓を二重窓に替えましたが、設置費用で約230万円かかったといいます。
騒音以外にも…。
「間違われてインターホンを鳴らされたりとか、(自宅の)敷地内に入られるというトラブルが増えてしまって、とても困ってます。自宅の前に集団でたまって、ワイワイ夜中にされて…」
民泊の被害は、今年に入り増加していると言います。その理由が…。
「もう一軒が実は自宅の奥、同じ住所になるんですけど、今年の1月末に開業して、民泊に囲まれる形になってしまった」
今年になって新たな民泊が家の裏手に。これにより宿泊客も増加しているといいます。
「怖いんです、本当に。とにかく怖いです」
民泊増加の背景に“特区”?
民泊が増加している背景には、“ある特殊な制度”があります。
それが“特区民泊”です。
この制度では一般的な民泊に課される年180日の営業日数制限がなく、平日・休日問わず365日民泊の営業が可能となっています。
東京オリンピックでの宿泊施設の不足を考慮し、都内では大田区のみに導入された制度ですが、その結果、住民が日々トラブルに悩まされることに…。
民泊の近隣住民
「長くて一週間泊まられる方も。(平日泊まられると)次の日仕事で寝不足で行って、もう体調不良の状態で仕事しなきゃいけないので」
大田区住民
「結局(宿泊客の)マナーの問題ですよね。管理者側もきちっとしてないし、我々がこうやって穏やかに静かに暮らしているのを引っかき回さないでよと」
住民からの苦情を受け、大田区では今年、民泊ガイドラインを改正。緊急時に徒歩10分以内で駆けつける体制や24時間つながる窓口の設置などを事業者に義務付けました。
女性はトラブルが起きるたびに、業者へ通報すると言います。しかし…。
民泊の近隣住民
「例えば騒音とかで苦情を言うと、チャットと電話で連絡をしますと。で、相手には言いました。(それで)終わりです」
現場へ業者は来ず、トラブルが起きるたびに女性が対応せざるを得ないと言います。
民泊の近隣住民
「無人施設なので、私が(民泊トラブルに)対応するしかなくて、でもなんで私がそんなことしなきゃいけないのって。私の休みがなくなってしまう状況ですね」
近隣住民は区に対し、民泊ガイドラインの見直しを求めるおよそ3万筆の署名を提出。
民泊の近隣住民
「ずさんなんですよね。なんかもう制度自体が間違ってるというか。ちゃんと区長が規制してくれるなり、言ってほしいですね」
ガイドラインの見直しについて区は…。
大田区 担当者
「区としては、特区民泊を含む民泊施策の総括、ならびに今後の民泊事業の方向性について、国や関係機関との協議・調整などを行いながら、今後のあり方を速やかに取りまとめてまいります」
(2026年10月21日放送分より)