今年1~9月の小中高生の自殺者のうち、女子の数が男子の1.2倍に上ったことが厚生労働省への取材で分かった。自殺は世界共通で男性に多く、日本でも全体でみれば男性の自殺者数が女性の2倍を超える。しかし、ここ数年国内では小中高生に〝逆転現象〟が起きている。明確な要因は不明だが、SNS利用の影響が一因だと示唆する最新の研究も発表されており、詳細な分析と対策が急務だ。
厚労省によると、9月までの小中高生の自殺者数(発見日基準の暫定値)は計375人で、そのうち女子が205人、男子が170人。内訳は女子が高校生143人▽中学生60人▽小学生2人、男子が高校生129人▽中学生36人▽小学生5人-だった。
小中高生の合計は統計がある昭和55年以降で最多だった昨年(538人)を下回るペースだが、長期的には増加傾向が続いている。深刻なのは、令和に入ってからの女子中高生の急増だ。
もともと男子の自殺者数は女子の2倍前後で推移していた。しかし、6年には男子239人に対し、女子290人と初めて逆転。7年も女子(280人)が男子(258人)を上回り、今年も同様の状況が続く。女子が上回る国は世界的にも少ないとみられる。
こうした中、政府は子供の自殺防止に本腰を入れ始めている。4月施行の改正自殺対策基本法は、自殺防止のために必要な個人情報を関係機関や民間団体で共有する「協議会」を自治体が設置できると定めた。特に女子は自殺の前に自傷や自殺未遂歴があることが多く、協議会を活用し未遂段階で自殺を食い止めることも期待される。
一方、日本全体の自殺者数は減少傾向にあり、令和7年に初めて2万人を下回った。今年1~9月は計1万2366人で、女性が3991人、男性が8375人だった。(西山瑞穂)