【速報】「教育の中立性に問題があった」学校法人同志社の理事長が事故以来初めて記者会見に 同志社国際高校の女子生徒が修学旅行中に死亡した沖縄・辺野古沖転覆事故 会見は約7か月ぶり

沖縄県名護市の辺野古沖で修学旅行中に船が転覆し、女子生徒が亡くなった同志社国際高校と、運営する学校法人同志社が30日、約7か月ぶりに記者会見を開きました。
京都市内で午後4時に始まった会見には事故以来初めて、学校法人の八田英二理事長も出席し、「平和学習あるいは研修に関しては、教育の中立性に問題があったと考えている」と述べました。
会見の冒頭、八田理事長は「多くの生徒が負傷する、あるいはかけがえのない生徒の命をお守りすることができないこと、学校法人として、責任を重く受け止めております。遺族、負傷された生徒およびその保護者の皆様をはじめ、関係者の皆様に心よりおわびを申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪し、亡くなった2年生の武石知華さん(当時17)に黙とうをささげました。
今年3月、沖縄県名護市の辺野古沖で、修学旅行中の同志社国際高校の生徒らを乗せた船が転覆し、武石さんと船長の男性(当時71)が死亡、14人が骨折などのけがをしました。
この事故をめぐって、高校を運営する学校法人同志社は「第三者委員会」を設置。
事故の経緯などを調べたところ、コースについて教員らが事前の下見を一度も行っておらず、修学旅行前に生徒や保護者に対して安全性に関する詳細な情報提供がなされていなかったことなどが明らかになり、第三者委は学校法人に「明らかに安全配慮義務違反があった」と認定していました。
そして、今月22日には、平和学習のあり方や教育の中立性・適切性について外部の専門家らが検証する検討委員会を新たに設置したと発表していました。
事故直後と8月、10月には、保護者を対象とした説明会が実施されていましたが、報道関係者に向けた会見は事故直後以来、2回目になります。
会見が約7か月ぶりになったことについて八田理事長は、「安全管理の問題と教育の中立性、適切性の両面から説明することが重要との認識のもと、第三者委の調査報告書に関する記者会見に合わせて、学校法人で実施していた教育の検証結果を説明する方向で検討していたが、その検証についてさらなる検討が必要と判断し、外部の専門家による教育の中立性と適切性に関する検討委員会を新たに設け、その検討結果を待って記者会見を行う方針に変更した結果、法人として説明すべき事項の公表が遅れた。新たな検討委の十分な検証結果には一定の期間を要する見通しとなったため、中間報告として会見を開くことになった」と説明し、改めて謝罪しました。
また、理事会に理事長を辞任する意向を示したことについては、「新たに設置した教育の中立性と適切性に関する検討委員会の検討結果がまとまり、法人として改善計画の検討と着手の見通しが立ち次第、改めて記者会見を開いて説明責任を果たしてから辞任をさせていただく」と述べました。
米軍基地移設に反対する、いわゆる“抗議船”に生徒たちを乗せていたことについて「法人としては、事故が起こるまで高校から連絡を受けていなかった」と話した八田理事長は、教育の中立性に対する認識を記者から問われ、「平和学習あるいは研修に関しては、教育の中立性に問題があったと考えている。平和学習は多面的な見方を教えるべきであって、一つの見方だけで平和学習を行われたというところが問題があったと考えている。是正していくべき、見直していくべきと、法人としては考えている」と述べました。
また、会見では、事故直後の対応についても、「保護者への連絡が遅れた」と謝罪がありました。
事故後、武石さんが心肺停止の状態で搬送されたという一報は学校側に入っていましたが、当時の校長は「不確実な情報を伝えることは適切ではない」と判断。武石さんの保護者に連絡したのは、死亡が確認されたあとだったことを明らかにしました。
学校法人同志社で危機管理を担当する瀧英次常務理事は、「正確な情報を伝えることは重要ですが、このたびの事故の重大性に鑑みますと、全てが確定してからの連絡では遅すぎたと思っております」と話しました。
武石さんの遺族はこれまでの取材で、「学校側から搬送時の連絡もなかった。電話越しでもいいから最後に知華に声を聞かせてあげられなかったことを、一生後悔すると思う」と話していました。