【永田町番外地】#101
与野党攻防の最大の争点になるはずの衆院議員の定数削減だったが、急転直下、今国会での法案成立が確実になった。
定数削減の議論は昨年末の自維連立協議で維新が示した45議席削減案をタタキ台にしてスタートしたが、参院でキャスチングボートを握る国民民主が19議席減を主張したことから、自民党がこれを足して2で割り、31議席減の妥協案を提示して29日の3党合意に至った。
もっとも、国民有権者からすれば、いったい何のための定数削減なのか、さっぱり分からない。そもそも維新は自らが言い出しっぺの1割45議席減自体に何ら根拠を示さないまま、高市自民党はただただ連立合意のために渋々受け入れた経緯がある。
高市首相からすれば、維新にヘソを曲げられ連立離脱されても困る、ただそれだけのことでしかない。戦後民主主義体制の根幹ともいえる院の構成をこれほどまでに軽く扱った政権がかつてあっただろうか。
それにしても罪深いのは野党第1党の国民民主党の対応だ。当初は45議席減の維新案をゲリマンダー(選挙で有利になるよう選挙区の境界線を恣意的に操作・変更すること)だと拒否の姿勢を見せながら、19議席減の独自案を打ち出し、自分たちのゲリマンダーは棚に上げ、31議席減の妥協案にさっさと飛びつく無分別。サッカーの「ゴールポストが毎回動く」いつもの国民民主仕様といえば、それまでだが。
「“対決よりも解決”を掲げる国民民主の玉木代表は、参院のキャスチングボートの立場を最大限利用してうまく立ち回っていますよ。最初は反対に回り、自民党とのウラ交渉を経て、最後は妥協案で少しの手柄をあげさせてもらい存在感を示す。まあ、よくある政治手法なんですがね」(政治ジャーナリスト)
大臣更迭劇もそんな一環らしい。国民民主党は臨時国会冒頭、他の野党と足並みをそろえて簗和生農相の更迭に動き、国民有権者の期待に応えた。ところが、就任後すぐさま公職選挙法違反が問われた後釜の武部新農相についてはダンマリだ。しかし、これもシナリオ通りだという。
「全メディアから叩かれた簗大臣に対しては、高市首相も自民党も辞めさせたかったし、口実が欲しかった。そこで国民民主が敵に回り、参院を止めるという口実をつくってくれた。でも立て続けに武部大臣まで更迭となると、さすがに自民党は困る。だからダンマリなんですよ」(前出のジャーナリスト)
“対決よりスリ寄り解決”。高市自民党の別動隊を買って出る玉木国民民主は、消費税減税の攻防では助け舟をどう出すのか、今から見ものだ。 (特命記者X)