2024年、静岡・菊川市で祖父母と叔母を殺害した罪などに問われている元自衛官の孫が、4日の初公判で起訴内容を認めました。疎遠だったという親族3人をなぜ殺害したのか。裁判で犯行の動機も明らかになりました。
事件は2年前の7月、静岡・菊川市の閑静な住宅街で起きました。87歳の男性と81歳の妻、52歳の娘の3人が自宅で殺害されたのです。
3人を殺害した罪などに問われているのが被害男性の孫で元自衛官で29歳の男の被告です。
起訴状によりますと被告の男は、刃渡り11センチのナイフで3人を多数回突き刺し、殺害したとされています。
犯行後、現場の住宅から逃走した被告の男。
列車などを利用して菊川市から直線距離で約360キロ離れた鳥取県へ。その後、鳥取駅からタクシーを利用するなどして逃走を続けていましたが、事件から2日後、鳥取砂丘近くの宿泊施設で警察に身柄を確保されました。
一方、事件当時、神奈川・川崎市の賃貸マンションで暮らしていた被告の男。
当時、私たちは警察の家宅捜索にも立ち会ったという不動産管理会社の関係者を取材していました。
(不動産管理会社の関係者)
「部屋を見た感じだと物が散乱していて、お食事されたものが残っている感じ…言い方が正しいかわからないが精神的に病まれていた可能性はあるのかなと…床がすごく汚れていたというか、ちょっと入るのに大変だったので、人を招いていることは絶対ないと思う」
さらに当時、被告の男を知る人からはこんな証言も…。
(被告の男を知る人)
「自衛隊に行っていて続かなかっ たみたい。よく3階から綱で降 りて危ないことをしていた…落ち着いて何かをできる子で はなかった」
事件から約2年3か月たって開かれた4日の初公判。裁判長から起訴内容について問われた被告の男は…。
(被告の男)
『間違いありません」』
起訴内容を全面的に認めました。
検察側の冒頭陳述では、犯行の経緯や動機が明らかになりました。
被告の男は、殺害された親族3人と普段交流がなくトラブルもなかったといいます。検察は動機について「亡くなった父の遺産相続などを巡って兄を恨み、兄の大切な人を殺害するため犯行に及んだ」と指摘。事前の計画では親族を殺害後、近くのスーパーで無差別殺人を実行しようとしていたことも明らかにしました。
一方、裁判の主な争点は精神疾患と診断されていた被告の男の「責任能力」についてです。検察は「犯罪行為を思いとどまることは可能で完全責任能力があった」と主張。これに対し弁護側は「心神耗弱状態にある被告の責任能力は限定的で刑は減軽されるべき」と反論しました。
裁判は今後、被告人質問などが行われ12月4日に判決が言い渡される予定です。