大阪・関西万博会場跡地に隣接する大阪市此花区の人工島・夢洲で日本初となるカジノを含む統合型リゾート(IR)の建設が進んでいる。
米国カジノ大手MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスが設立した「MGM大阪」(エドワード・バウワーズ社長、渡辺展希会長)が施設を運用。2030年秋の開場を目指し地元へ年間1兆1400億円の経済効果を見込む。その8割はカジノからの収益となる。
カジノの開業ではゲームの進行役となるディーラーが最大3000人必要とされる。同社はディーラーの確保で、カジノディーラーの養成機関「日本カジノスクール」(東京・新宿、大阪市、大岩根成悦校長)と提携、MGM公認ディーラーを養成する「MGM大阪公認コース」を27年4月に東京と大阪で開講する。
これまで先進国の中で日本は唯一カジノ未導入国だった。18年の「IR整備法」(カジノを含む統合型リゾート法)成立で多くの自治体が誘致活動を進めてきたが、最終候補地に残った大阪府・市が政府の申請認定を獲得、昨年4月からIR施設の建設が始まっている。
カジノ誘致の目的は、インバウンドの観光客誘致、国や自治体の財政確保が主な導入目的だ。海外のカジノでは自国民のカジノへの入場を禁止する国が多いが、日本では外国人観光客をはじめ日本人の入場も可能となる。MGM大阪によると、年間来場者数は約2000万人(国内1400万人、海外600万人)で、売り上げは年間約5200億円を見込んでいる。
カジノで思い出されるのが、浜田幸一・元衆議院議員のラスベガス5億円賭博事件(1980年)、大王製紙井川意高元会長のシンガポールなどのカジノで溶かした106億円事件などがある。韓国では17前後のカジノがあるが、一般の韓国人が入場できる施設は1カ所(江原ランド)で、他は観光客ら外国人専用だ。カジノ問題に詳しい神戸国際大学経済学部の中村智彦教授がこう警鐘を鳴らす。
「韓国ではいまギャンブル依存症が急増し社会問題化している。どこの国のカジノもほぼ外国人専用施設です。ところが日本は国民を入れなければ経営が成り立たないと外国人より多くの国民を入れるカジノをつくる」
続けて、「自治体が財源を確保するなら、すでにある競馬、競輪などのギャンブルにインバウンドの観光客を誘致すればいいんです。いまのカジノでは米国企業に多くのおカネが持っていかれるだけで、ギャンブル後遺症や犯罪が増える懸念が避けられません」と言う。
IR整備法では最大3区の整備が認められている。大阪府・市に続き、再び多くの自治体がカジノ設置の声を上げているのだが。
(木野活明/ジャーナリスト)