浸水で近づけず、募る不安=「自分の目で確かめたい」―避難所の住民・長野

台風19号で堤防が決壊した長野市穂保の千曲川周辺では14日、土砂などが住宅地に流れ込み、一部では浸水が続いた。容易に自宅まで近づけず、被害状況を確認できない被災者からは「早く自分の目で確認したい」との声が聞かれた。
同市金箱の自主避難所「古里総合市民センター」には同日朝、約20人が身を寄せていた。米沢良巳さん(82)は、堤防の様子を見に行った息子の「あと1メートルで決壊する」との声で、13日未明に妻や息子夫婦とともに慌てて避難した。自宅の被害状況を確認したくても、完全には水が引いておらず、テレビの映像でしか周辺の様子を把握できない。「まさか自分がこんな状態になるとは。なるべく早く自分の目で見て確かめたい」と不安を募らせた。
「今後のことは考えられない」。夫や息子と避難してきたという女性(86)は、疲労感と不安を募らせた。女性は民生委員からの「車が通れるうちに避難して」との呼び掛けで、着の身着のまま避難した。手足が不自由な夫を車に乗せるので精いっぱいで、薬と保険証のほか、少しの現金だけを持って自宅を出た。
女性は、自宅付近を確認したという孫から、屋根の一部分を残して浸水していると聞き不安を募らせる。「被害状況を確認しないことには、一歩も前に進むことができない」。女性はこれから寒さが厳しくなる季節に向け、「住む所を準備しないと」と話し、焦燥感をにじませた。