2018年に承認された1回の服用で治療が完了するインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」をめぐって、複数の患者からあいついで薬が効きにくくなる耐性変異ウイルスが見つかった問題で、日本感染症学会は「12歳未満の子供ではウイルス変異が多い」として、「投与するのは慎重に検討すべきだ」とする提言をまとめた。
商品名「ゾフルーザ」で知られる「バロキサビル製剤」は、塩野義製薬が開発し、2018年2月に承認され、翌3月から販売を始めた抗インフルエンザ治療薬。
「タミフル」や「リレンザ」など既存の治療薬では、5日間の服用や吸入を続けなければならないのに比べ、「ゾフルーザ」は1回の服用で治療が完了することから、「夢の新薬」として注目を集め、先シーズンは約550万9000人分が医療機関に供給された。
しかし、ゾフルーザを服用したほかの患者からインフルエンザに感染した未投与の子供から、あいついで薬が効きにくくなる耐性変異ウイルスが報告されたことから、12歳未満の子供を対象にした臨床試験を実施した結果、23.3%の患者で耐性ウイルス変異が確認されたという。(成人は9.7%)
学会によると、ゾフルーザの投与によってインフルエンザウイルスの感染力が大幅に低下することは確認されているが、ウイルス変異が出現すると、投与から4~5日後にウイルスの感染力が強まり、治癒するまでの期間が長くなることもわかった。
学会は、耐性ウイルスの拡大を防ぐためにも、12歳未満の子供については投与を慎重に検討すべきだと提言をまとめ、医療現場での判断に役立ててほしいとしている。