早朝の品川駅騒然! 山口組ナンバー2出所で「仁義なき戦い」激化必至 “三つどもえ”解消へ動く可能性

国内最大の指定暴力団山口組ナンバー2の若頭高山清司受刑者(72)が18日、刑期を終えて東京・府中刑務所を出所した。高山若頭は勢力拡大を支えた一方、出身母体である名古屋市の2次団体「弘道会」による支配を強め、神戸発祥の山口組の分裂を招いたとされる。「山口組」を掲げる3団体は対立状態にあり、10日には神戸市で2人が死亡する発砲事件も発生。警察当局はキーマンの出所で抗争が激化する恐れもあるとみて警戒を強めている。
午前7時前、小雨が降る東京・品川駅。2台のワンボックスカーが港南口にゆっくりと入ってきた。ほどなく、先頭車両から高山若頭が姿を現す。首にコルセットを巻き、濃紺のジャンパーに濃紺の帽子。山口組幹部ら数十人の暴力団関係者が出迎え、頭を下げる一方、周囲ににらみをきかせた。
不測の事態に備え、駅構内では警察官が複数配置される物々しい雰囲気。報道陣のカメラのフラッシュが複数たかれるなか、新幹線乗り場へと向かい、グリーン車で名古屋方面へと向かった。捜査関係者らによると、山口組関係者が先月、この日朝に東京を出る複数の新幹線の乗車券を大量に購入していたという。
高山若頭は2005、06年に建設関係事業のみかじめ料名目で京都市の男性から現金計4000万円を脅し取ったとして、10年11月、京都府警が恐喝容疑で逮捕。14年6月に収監された。
18日のこの日、当初は、山口組総本部がある神戸市に向かうとみられていたが、10日に同市で発生した発砲事件を受け、総本部を含む主要事務所に使用制限の仮命令が出された。このため、名古屋駅で下車し、山口組の篠田建市(通称・司忍)6代目組長(77)と面会後、三重県内の自宅に向かうとみられる。
山口組が分裂したのは15年8月。神戸市に拠点を置く山健組など当時の中核団体を含む一部の組が離脱し、神戸山口組を結成した。篠田組長と高山若頭はともに名古屋市に本部を置く弘道会出身で、捜査関係者は、同会の影響力が強まり、内部で不満が高まったことが一因とみている。
17年4月には神戸山口組から一部が離脱し、現在の任侠山口組を結成。3団体はいずれも指定暴力団に指定されている。
15年8月以降、3団体の関係者が絡む抗争とみられる事件は今月16日までに計129件発生。一般人が巻き込まれたケースはないが、9人が死亡した。神戸市内では4月、山健組幹部が弘道会系組員に刺されて重傷を負ったり、弘道会事務所前で8月、同会系組員が何者かに銃撃されたりするなどした。
分裂後は、約4400人(18年末時点)の構成員を擁する山口組が、神戸山口組約1700人と任侠山口組約400人を圧倒している。
警察当局は、高山若頭の復帰で抗争の先鋭化や、抗争資金捻出のためのシノギ(資金獲得活動)の活発化を警戒する。
ある暴力団関係者は、ラグビーワールドカップ(W杯)に天皇陛下のご即位に伴う一連の行事、来年には東京五輪も控えるなか、警察もいつになく厳戒態勢を敷いているため、ひとまず様子見が続くとみる。だが、高山若頭は強硬派で知られ、三つどもえ状態を解消するために何らかの行動に動くとも予想され、予断を許さない。
捜査関係者は「『混乱を招いた張本人で、諸悪の根源』と批判する勢力もある」と指摘するだけに、何が起きてもおかしくない状況だ。