緊急走行中の救急車の進路を妨害したとして、愛知県警天白署が名古屋市天白区の翻訳業の男(48)を公務執行妨害の疑いで書類送検したことが同署への取材で判明した。書類送検は4日付。「救急車が私の前をサイレンを鳴らして走行し、嫌がらせをされたと感じた。積もり積もったものが噴出した」などと話しているという。
書類送検容疑は7月23日午前10時45分ごろ、同区焼山2の交差点付近を緊急走行していた救急車の前に2回、自転車で立ちはだかり、一時停止させるなど救急活動を妨げたとしている。
消防車は「女性が意識を失っている」という通報を受けて現場に向かう途中だった。天白署は消防からの相談を受けて捜査を始め、救急車のドライブレコーダーの映像などから男を特定したという。到着遅れなどで女性の容体への影響はなかったとみられる。
名古屋市消防局は「一分一秒を争う事態で到着が遅れると、命が失われる恐れもある。緊急走行車両を見た際は、道を譲るなど協力してほしい」と呼び掛けている。【高井瞳】