68人が犠牲になった2004年の新潟県中越地震から、23日で15年。震災翌年に設立された復興基金は役目を終え、来秋に解散する方針だ。事業に基金を活用してきた公益社団法人「中越防災安全推進機構」(同県長岡市)の稲垣文彦統括本部長(52)は「人材育成ができたのは基金のおかげ」と感謝し、「15年を機に新しいチャレンジをしていきたい」と決意を新たにしている。
「中越大震災復興基金」は、被災地の生活再建や産業復興を目的に県が主体となって設立。国の復旧事業の対象にならない小規模な田んぼの修復や、集落単位での集会所の設置といった「既存の制度では対応が難しい」(基金事務局)事業の約9万6200件に、計約654億円(18年度末時点)が投じられた。
震災から15年がたち、被災地からは「(復興は)既に達成した」(磯田達伸長岡市長)との声が出ており、基金は役割を終えたと判断。実質的な活動は19年度に終了し、20年秋ごろに解散する方針を決めた。
復興基金の性質について、稲垣さんは「ニーズを把握してから1カ月後にはお金が出る場合もあれば、10年間の事業もある」と機動力や柔軟性を評価。同機構も基金を使って復興や地域防災に携わる人材育成に取り組んだ。「長い目でできた。単年度の補助金では難しかった」と振り返る。
基金はなくなるが、稲垣さんは「厳しくなっていく状況はあると思うが、新しいチャレンジをしていかないと」と強調。企業と連携した新たなビジネスモデルの確立などに意欲を示し、「復興基金をベースに『その後もよくやっているね』と言われるかどうかの岐路。そこは被災地の頑張りだと思う」と力を込めた。