なるか埼玉の新名物 蕨市の「わらび餅」 完成まで2年、こだわりの新食感

埼玉県蕨市の蕨商工会議所が中心となってつくる「蕨ブランド協会」がご当地和菓子を開発し、空き店舗を活用した市内のショップで販売を始めた。商品名は「わらびの蕨もち」。しゃれで名付けただけの「わらび餅」にあらず。形にも味にもこだわり抜き、企画から完成まで2年をかけた。開発に携わった商工会議所の関口慶太さん(36)は「手土産としても最適な自信作」と胸を張る。
わらび餅は、わらび粉(ワラビの地下茎からとれるデンプン)などで作った柔らかい餅に、きな粉や黒蜜をかけて食べるのが主流だが、「わらびの蕨もち」は、シート状の餅でこしあんを巻いた一口サイズ。国産わらび粉を主な原料に、あんは甘すぎない上品な味に仕上げた新感覚のわらび餅だ。
「蕨市には地元土産がなにもない」という市民の声に応えようと、同協会は市のPR大使でフリーアナウンサーの町亜聖さんや地元のパティシエ、料理研究家らで商品開発のための委員会をつくり、実地調査や試作を重ねた。京都や奈良の老舗和菓子店を視察した関口さんは「もういいと思うほど、わらび餅を食べ歩いた」という。
わらび餅は生菓子だが、土産物にするには2週間の賞味期限が必要として、技術を持つ京都のメーカーに生産を依頼。JR大宮駅構内や東京都内でテスト販売を繰り返し、好感触を得て同協会が蕨市中央3の空き店舗に開店した「WARABISELECTSHOP」での販売にこぎつけた。
視察先では「蕨市がわらび餅の発祥なんですか?」とよく聞かれたそうだが、「発祥地ではないけれど、市名を使ったネーミングも商品の強み」と関口さん。「開発は100年後も愛される本物志向をコンセプトに始まった。蕨の銘菓として広く知ってもらえるようにしたい」と話している。
わらびの蕨もちは1パック4個入り290円(税別)。問い合わせは蕨ブランド協会(048・432・2655)。【鈴木篤志】