【台風19号】相模原で行方不明の夫婦の捜索難航 長男「何としても顔見たい」

台風19号で土砂崩れが発生した相模原市緑区牧野(まぎの)地区では、流された民家に住む佐々木睦(むつお)さん(67)と妻の定子さん(63)の行方が分かっていない。手作業による捜索は難航し、23日からの活動の中心は重機を運び込むための周辺整備に切り替えられた。長男の一彰さん(41)は「何としても両親の顔が見たい」と声を振り絞る。
台風が襲来した12日夜、一彰さんは都内に住む妹から「家がなくなっているらしい」と電話を受けた。翌朝、駆けつけると家屋は跡形もなく、捜索隊から実家にあった車3台が「こっぱみじんになっている」と聞かされ、呆然(ぼうぜん)とした。
一彰さんによると、睦さんは東京消防庁の元職員で、定子さんは病院の看護師。2人は子供の目にも社交的な性格に映った。定子さんは今年、勤続40年を祝う表彰式が控えており、「何を着ていこうか、と妹と楽しそうに話していた」(一彰さん)という。これまで、雨でぬかるんだ現場を消防や自衛隊などがスコップを使った手作業で捜索を続けてきたが、23日からの活動の中心は重機を運び込むための道路整備に移行。相模湖でも、水中や周辺の捜索を行っている。
土砂の中からは玄関マットや傘、靴などの生活用品が次々と発見されている。それらを目にした一彰さんは、「2人が近くにいるような気がする。家には近所の人がたくさん出入りして、いつもにぎやかだった」とかつての光景を思い浮かべていた。