日常生活に支障を来すほどインターネットやオンラインゲームにのめり込むことが社会問題化する中、香川県議会が「ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」の制定に向けて議論を重ねている。子供のネット接続時間に制限を設けることを努力義務として県民に求めることなどを想定し、来年4月の施行を目指す。ネットやオンラインゲームに特化した都道府県条例は他に例がなく、実現すれば全国初になるという。【金志尚】
世界保健機関(WHO)が今年5月、「ゲーム障害」を新たな依存症に認定するなど、ネットやゲーム依存は近年大きな問題になっている。厚生労働省の研究班は昨年、ネット依存が疑われる中高生が国内に推計93万人いると公表。昼夜逆転の生活になったり、家族との関係が悪くなったりするなど、日本でもさまざまな悪影響が指摘されている。
県議会では議員提案による条例制定を目指し、今年9月に検討委(委員長・大山一郎議長)が発足。今月17日に行われた2回目の会合ではネット依存外来のある久里浜医療センター(神奈川県)の樋口進院長と、依存症に詳しい岡田クリニック(大阪府)の岡田尊司院長を招き、条例に必要な考え方などについて助言を受けた。
この中で樋口さんは「ガチャ」と呼ばれるオンラインゲームの課金システムで高額請求されるケースが多いことなどを紹介し、未成年の子供のネット接続時間に一定の制限をかける必要性を指摘。岡田さんは予防の観点から保護者も含めた教育の重要性を説明した。
検討委は今後、教育関係者から意見を聞く場を設けるなどした上で、年明けまでに素案をまとめる方針。パブリックコメントも実施し、来年の2月議会での条例案提出を見込んでいる。
大山委員長は「ある程度規制を含めたものにしないと、ネット依存やゲーム障害を防ぐのは難しいのではないか。医療や教育現場で相談に応じられる人材の育成も大きな柱になる」と話している。