土星の衛星82個、太陽系最多に すばる望遠鏡で20個発見 木星上回る

米ハワイ島の国立天文台すばる望遠鏡を使って、土星の周りを回る衛星を新たに20個発見したと、米国のカーネギー研究所などのチームが発表した。これで土星の衛星は合計82個となり、木星の79個を上回って太陽系で最も衛星が多い惑星となった。新たな衛星のほとんどは、軌道の分析などから、衛星同士の衝突や、外から飛来した天体の衝突で生じた可能性があるという。
土星の衛星は、直径約5150キロで最大の「タイタン」や、表面を覆う氷の下の海に生命が存在する可能性が指摘されている「エンセラダス」などが知られている。
新たに発見された20個の衛星はいずれも直径約5キロ。2~3年程度の周期で土星を回っており、そのほとんどが似たような軌道をたどっていた。観測結果についてチームのスコット・シェパード氏は「衝突により粉々になった衛星の破片は、衝突前の天体と同様の軌道にとどまる傾向がある。土星周辺で衛星の激しい衝突が生じていることを示す」と説明している。
一方国立天文台によると、土星や木星の周辺には発見されていない衛星がまだ多く存在する。このため土星と木星のどちらにより多くの衛星があるのかは不明という。
木星は土星より地球との距離が近く観測しやすいため、直径約1キロと土星より小さい衛星が見つかっており、カーネギー研究所が2018年に12個を確認している。望遠鏡の観測精度の向上で、今後も新たな衛星が見つかる可能性がある。【岩崎歩】