特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)が一般市民を狙った元漁協組合長射殺など四つの事件で、殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などの罪に問われた同会総裁の野村悟(72)、ナンバー2の田上不美夫(63)両被告の初公判が23日、福岡地裁(足立勉裁判長)であった。野村被告は「四つの事件全てにつき無罪です」と述べ、田上被告は「身に覚えがない」などと起訴内容を否認した。
襲撃事件をめぐっては、野村被告の命令に基づく組織的な犯行と認定した上で、実行役の組員が実刑判決を受けている。
検察側は冒頭陳述で、野村被告らは、北九州市の港湾事業で影響力を持つ元漁協組合長の梶原国弘さん=当時(70)=に利権を要求したが拒否されたため、「田上被告を介して組員に殺害を指示した」と指摘。元警察官や看護師が負傷した他の事件についても、捜査や治療をめぐり恨みを抱き、襲撃を指示したと訴えた。
弁護側は「工藤会壊滅が目的で起訴した」と警察や検察の捜査を批判。「(組員との)共謀はなく、関与もしていない」と主張した。
起訴状によると、両被告は1998年2月18日、他の組員と共謀し、北九州市小倉北区の路上で梶原さんを射殺。2012年に福岡県警元警部の男性、13年に看護師の女性、14年に歯科医師の男性を組員と共謀して襲撃し、重傷を負わせたとされる。