ハンセン病・家族補償法、来月成立 最大180万円 議員懇が法案骨子

ハンセン病元患者の家族が受けた差別被害について、超党派の議員懇談会は24日、家族1人当たり最大180万円を補償する新法の法案骨子をまとめた。議員懇談会は補償の対象なども盛り込んだ同法案と、家族への差別解消を明記したハンセン病問題基本法の改正案を臨時国会に提出する。11月にも成立する見通しだ。
6月の熊本地裁判決で請求が棄却された原告20人を含め補償の対象は広がった。弁護団は「国の責任を明確にし、判決の不十分な点がカバーされた。補償の枠組みができたのは大きな一歩」と評価した。ただ、偏見や差別を恐れて名乗り出ない家族がいる可能性もあり、差別解消に向けた啓発が急がれる。
家族への差別を巡っては、熊本地裁判決が国の誤った隔離政策が被害をもたらしたと認定し、国への賠償命令が確定。政府は原告以外の家族にも補償する意向を示し、議員懇談会が法制化に動いていた。
法案骨子によると、補償額は親や子、配偶者が180万円、それ以外の家族は130万円。家族には、兄弟姉妹のほか、同居していた孫、ひ孫、おい、めい、兄弟姉妹の配偶者も含む。地裁判決で国の賠償責任が否定された2002年以降の被害や、1972年以前の米国統治時代の沖縄の被害も対象とする。戦前の台湾や朝鮮半島に住んでいた元患者家族にも補償する。
弁護団によると、原告561人の中では、447人が180万円、114人が130万円の対象。厚生労働省は全体の補償対象を2万~3万人と推計し、予算規模は350億~500億円を見込んでいる。

国は裁判の原告に既に1人33万~143万円の賠償金を支払っているが、補償額はそれより高いため、原告には差額分が補償される。法施行前に死亡した原告については、名誉回復の一時金として同様の金額を支払うことを省令で定める。
法案の前文では「国会および政府」を主語とし、元患者家族への謝罪の言葉を盛り込み、国の責任を明確化した。ハンセン病問題基本法の改正案には、ハンセン病療養所で働く医師の不足に対応するため、国家公務員法に特例を設けて兼業も可能にする規定を盛り込む。【金秀蓮】
補償法案の骨子ポイント
・前文に「国会および政府」を主語として被害者の苦痛と苦難に「深くおわびする」と明記
・元患者の親、子、配偶者に180万円、その他の家族(兄弟姉妹、同居歴のある兄弟姉妹の配偶者、孫、ひ孫、おい、めいなど)に130万円を支給する
・補償金は戸籍や患者台帳などを確認し支給する。公的記録がない場合は、認定審査会で関係者の証言などを勘案し判断する
・請求期限は法施行から5年以内