映える「宙に浮くカボチャ」 ブドウ棚で栽培 山梨

ブドウ棚につるを絡ませ、1・7メートルほどの高さからつり下がったカボチャが太陽の光をいっぱいに浴びて輝く。宙に浮いたように栽培される「甲州天空かぼちゃ」の収穫を体験できるツアーが観光客の人気を集めている。
10月上旬、神奈川県から来たバスツアーの乗客約25人が山梨県甲州市塩山の天空かぼちゃの畑に降り立った。生産者の広瀬隆さん(59)が特徴を説明した。観光客らは「どれがいい?」「こっちの方が熟している」などと話しながら、カボチャに手を伸ばし、つるから実をもぎ取った。
「甲州天空かぼちゃ」は、休耕地となっているブドウ畑を利用し、通常の地面につるをはわせる「地ばい栽培」ではなく、ブドウ棚からつるして栽培する。地ばい栽培よりも採れる実が少ないため、養分が集中し味や品質にばらつきが出ず、甘みが増すという。
農家の高齢化などで耕作放棄地が増加する中、地域を活性化させようと地元農家らは2008年にNPO「甲州元気村」を設立し、天空かぼちゃの開発に取り組んだ。天空かぼちゃを使ったプリンなどの商品化にも成功し、ブランド品種となった。
現在は生産組合の15人が甲州、笛吹市などで栽培している。年20トンほど出荷しているが、需要に対し生産が追い付いていないという。広瀬さんは「仲間を増やして生産量を増やし、ブドウ、桃に次ぐ山梨の特産品にしたい」と抱負を語った。【高田奈実】