低気圧の影響で千葉県内は25日、猛烈な雨に見舞われ、各地で土砂災害や河川氾濫が発生した。土砂崩れに巻き込まれるなどして4人が死亡、1人が行方不明になった。
気象庁によると、鴨川市では25日午前10時15分ごろまでの1時間降水量が観測史上最大の85・5ミリを記録。市原市(64・5ミリ)▽佐倉市(54ミリ)▽君津市(53ミリ)▽成田市(50・5ミリ)――なども10月の観測史上最大となった。市原、佐倉、鴨川市は10月の1カ月の雨量が半日で降るほどの猛烈な雨だった。
県警などによると、千葉市緑区誉田(ほんだ)町では土砂崩れに巻き込まれた住宅に住む60代と40代の女性と連絡が取れなくなり、60代女性の死亡が確認された。同区板倉町では60代の男性の住宅1棟が土砂に襲われ、男性の遺体が見つかった。長柄町では一宮川の氾濫で流された車内から見つかった男性(88)の死亡を確認。長南町でも冠水した道路で立ち往生した軽トラック付近で運転手とみられる男性(81)の遺体が発見された。
県によると、一宮川、養老川、小櫃川などで氾濫危険水位を超え、柏市の大津川や市原市の神崎川など7カ所で越水が確認された。市原市は養老川が氾濫したとして流域の399世帯893人に災害発生情報を発令。25日午後8時現在、茂原市など47市町の避難所336カ所に1871人が避難した。
福島県いわき市でも25日夕からの大雨で夏井川、宮川、大久川が氾濫した。夏井川では台風19号で決壊した堤防7カ所のうち、上流部の小川町の仮復旧工事中の1カ所で再び氾濫した。県いわき建設事務所によると、決壊部分に1500個の土のうを5段積み上げる作業を進めていたが、完了したのは3段までで、その一部を水が越えたという。気象庁によると、同県浪江町では25日夜までの半日の雨量が200ミリを超え、10月の1カ月の平年値を上回った。【宮本翔平、加藤昌平、町野幸、乾達】