ABCテレビ(大阪市)の長寿番組「探偵!ナイトスクープ」で長年、「局長」を務めた俳優の西田敏行さん(71)が25日、最後の収録に臨んだ。また、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さん(56)が西田さんの後任として、新局長に就任することが発表された。
収録の終盤、西田さんは「熱くて、あほで、まっすぐな依頼にたくさん笑い、たくさん泣いた。19年間、本当にありがとうございました」と万感の思いを込めてあいさつ。3代目局長としてスタジオに呼び込まれた松本さんは「番組の大ファンなので二つ返事で引き受けた」と話した。
視聴者参加型番組として、1988年にスタートした人気番組。西田さんは、初代局長の上岡龍太郎さんの芸能界引退を受け、2001年1月、2代目局長に就任。視聴者から寄せられた依頼を探偵役の芸人らが調査、報告するVTRを、時に涙を流し温かいまなざしで見守り続けた。
収録後、松本さんと共に記者会見に出席した西田さんは、「(上岡さんは)大阪人のエスプリを根底に、大人のかわいた笑いを追求した。僕の場合はぬれた感性が100%。修正していかないと、この番組のコンセプトが薄らいでいくという危惧があった」と降板の理由を明かした。西田さんからバトンを引き継ぐ松本さんは「これだけ出来上がった番組に乗っかるのは今までやったことがない。とにかく番組の邪魔にならないようにと思いながらも自分の色も出さないといけない」と、新局長としての意気込みを語った。
西田さんは昨年秋ごろから降板について考えていたといい、18日の放送で、11月22日の放送が最後になると明らかにしていた。【倉田陶子】