一流大学→フリーター→風俗業界。年収1500万円の30歳に聞く、人生の転機「正直、抵抗感はあった」

学歴は役に立たないといわれて久しい令和の日本。しかし、「いい大学→いい会社→いい人生」に代わる新しい成功モデルは、いまだ確立していません。

東京にある一流大学法学部を中退したのち、フリーターから4年で年収1500万円超を実現したKさん(30)。

現在、オナクラの店長として、渋谷・五反田の2店舗を統括しています。若くして高収入を得た半面、さまざまなイメージがある業界に飛び込んだのかなぜか。本音を探りました。

◆法学部に入るも挫折した過去

――大学は名門大の法学部だったそうですね。

Kさん:そうです。僕、地方出身なんですけど、地方から出たかったというのと、進学校出身だったというのもあって、法学部に入りました。でも、すぐ挫折したんです。検事とかになりたいって思ってたんですけど、周りはとんでもなく優秀だったし、六法全書とか全然好きになれなくて。

それでバーを中心にバイトに明け暮れる生活を送るようになって、そのまんま辞めちゃった感じです。バーの仕事って、自分の接客がお客さんの反応になってすぐ返って来るんですけど、それが面白くなっていったんです。そこからは飲食を中心に、いろんなバイトをしていました。正直、稼げていたし、遊ぶ金もあったし、実際大学の友達なんかより遊んでいて、24歳くらいまでは楽しくやっていましたね。

――24歳までは“リア充フリーター”だったわけですね。

Kさん:僕の性格を語るときに負けず嫌いっていうのがあるんですけど、この年齢くらいになったとき、ふと大学時代の友達と比べちゃったんですよ。みんなメガバンクとか総合商社とかなんで、差がすごくついちゃってて。

それで25歳のときに、バイト仲間だった親友と下北沢にバーを開店したんです。良い物件があるからって聞いて、よしやろうって。でも資金が全然足りなかったうえに、本当に激務が続いて、僕、半年で離脱しちゃうんですよ。大病を患って、入院生活です。

◆なぜ風俗業界に飛び込んだのか

――そこから、どうやって今の選択肢に出合い、やってみようという流れになったんですか。

Kさん:結局バーは閉店して、これからどうしようかって考えているときに、バイト関係で知り合いだったNに連絡したんです。今の会社の創業メンバーですね。僕らのバーにも一度遊びに来てくれていて、「何か困ったら連絡してよ」って言ってくれてたんです。

Nって、年齢が4つ上なんですけど、いわゆる性風俗業界のイメージみたいな人とは真逆のタイプなんですよ。風貌は草食系というか、マイルドな感じで、経歴も誰もが知る某大手人材グループ出身だったりするんです。性格も気さくですし。

そうしたら、「メシ行こう」ってなって、Nに言われたんですよ。「3年頑張ったら、年収1000万円稼げるようになる」って。それでもう、入社を決めましたね。正直、抵抗感はありました。でも、大学の同期に負けたくない。30歳までにゼッタイ追い抜いてやるって、誰にも相談しないで、すぐその場で出した答えでした。

◆バーで働いた経験が活きた

――覚悟を決めて飛び込んだKさんですが、どんなスタートだったんですか。

Kさん:最初はいろいろ難しかったです。全体の仕組みがわかっていなかったので、1年目はとにかくインプットでしたね。自分からどんどんNさんに聞いて、仕事を覚えていくみたいな。でも殴られる、怒鳴られるとかはなかったです。ホント、普通の会社でした。

得意だったのは、女の子とのコミュニケーションのところですね。実は最初に配属されたのが新店だったので、比較的時間があったんですよ。風俗業界って、女の子の在籍数とか定着率とかが生命線なんですけど、ここで女の子たちのお兄さん的な感じで接して、僕に懐いてくれたのが大きいです。

「最近、カレシとどう?」とか「サークルどうなの?」とか。僕、ずっとバーで働いていたんで、女の子との会話にすっと入っていくっていうのが自然にできたんですよ。

――逆に、一番苦労したのはどんなところですか?

Kさん:入社して2年経って、渋谷店の立ち上げを任されたんですけど、今はエースになってくれた女の子たちに「どうして指名がないの?」「努力が足りないんじゃない?」とかいろいろ聞かれました。

それまではやっぱり上に店長がいたからうまくやれていたのが、全責任を自分が負って、ゼロから自分が作っていくとなると、全然違ったんです。初めて、謙虚になりました(笑)。

それで、女の子たちに対しての関わり方を、さらに深くしたんです。源氏名じゃなくて、本来のその子に向き合っていくスタイルですね。「私のこと、ここまで深く考えてくれてるんだ」って。そうやって僕、一人ひとりに向き合っていったんです。

◆4年で年収1500万円を超えられた理由

Kさん:女の子が定着してくれるようになってからはすごかったです。渋谷店は一気に立ち上がって、激戦区の五反田にも店を出しました。そこでオーナーに認められて、純利益のウン%を報酬としてもらえる権利を獲得したんです。フルコミッションですね。

今年に入ってからは平均月給130万円です。ここ数か月だとずっと160万円を超えています。Nの予言通り、年収四桁万円超えましたね。目標だった、大学の同級生も超えたと思います(笑)。

――率直にお伺いしたいんですが、年収1500万円超の生活って、どんな感じなんですか。

Kさん:家は恵比寿のタワマンに住んでいます。1LDKで家賃29万8000円、とらちゃんという猫と二人暮らしです(笑)。お金の使い道は、交際費が多いです。僕、ずっと飲食やってたんで、基本一人1万円くらいするお店しかいかないんですよ。あとは釣りに行ったり、ゴルフしたり。友達と遊ぶのに使っている感じです。

でも稼いでみて分かったんですけど、稼いでも特に幸せにはならないです。ただ、仕事の面ではすごい充実しているんですよね。僕、24歳までのことってあまり思い出せないんですけど、今の会社に入ってからって、一日一日がすごく濃いので、すごい覚えているんです。

◆友達とか家族にも伝えていない

――Kさんはやっぱり女性好きなほうなんですか。

Kさん:好きですね。女性経験も多いほうだと思います。年齢も上から下まで。風俗も、めっちゃ行きますし(笑)。やっぱりこの仕事、女性が本当に好きじゃないと厳しいところはあります。女性のイヤなところ全部と向き合わないといけないですから。

でもそういうところに自信がある人は、3年で四桁万円いけると思います。ただし、死物狂いでやるっていう覚悟が必要ですけど。いま働いている企業で展望が見えないって人は、来てみてもいいと思います。

――少しセンシティブな話ですが、風俗店で働いていることは、友達とか家族には伝えていますか。

Kさん:これは、伝えていません。IT系の企業で働いているということにしています。風俗の会社って、集客も求人もネットでかけますし、顧客管理とかも全部システム化されているので(笑)。でもやっぱり言いたくないっていうのが本音ですかね。負けず嫌いなんで。

――最後にKさんのこれからについて教えていただけますか。

Kさん:立場的なことでいうと、今の会社を10年後、20年後も続くものにしていきたいですね。なので、店舗展開を進めて、5年以内に統括になっているイメージです。もちろん年収も、もっともっと上げていきたいですし(笑)。個人でいうと、10年後には引退したいですね。そのあとはまた、趣味でバーとかやれたらいいと思っています。あ、もう一度法律の勉強もしよっかな(笑)。

<取材・文/赤星アキラ 協力/FENIX JOB>

【赤星アキラ】
シゴトとジンセイの切り口から、風俗店運営企業の経営者・社員への取材・執筆多数。高収入求人サイト「FENIX JOB」の企画・マーケティング担当。Twitter(@fenixzine)