豪雨 千葉・福島で死者10人不明1人 5県27河川が氾濫

台風21号の影響による記録的な大雨で、26日に新たな被害が確認され、千葉県と福島県で死者は計10人、行方不明者は計1人となった。台風15号、19号の被害の復旧作業が続く中、土砂崩れや多数の浸水被害が出ており、消防や県警などは排水作業や行方不明者の捜索に当たっている。
両県や両県警によると、千葉県の死者は9人で▽千葉市緑区3人▽長南町と長柄(ながら)町各2人▽市原市と茂原市各1人。福島県は相馬市で1人が死亡、1人が行方不明になっている。このほか、千葉県茂原市で25日午後に「女性が自転車ごと川に流された」「冠水した道路で高齢男性が流されている」との110番があり、県警などが確認を急いでいる。
千葉県長柄町立鳥では一宮川の氾濫で流された車内から見つかった男性(88)が死亡。長南町千手堂でも冠水した道路で立ち往生した軽トラック付近で運転手とみられる男性(81)の遺体が発見された。長南町岩川では男性(91)の遺体が軽乗用車から見つかり、長柄町鴇谷(とうや)でも男性(54)が車ごと川に流されたと父親から通報があり、遺体が見つかった。
千葉市緑区誉田(ほんだ)町では土砂崩れに巻き込まれた住宅の60代と40代の女性が死亡。同区板倉町でも住宅1棟が土砂に襲われ、60代男性が遺体で発見された。
福島県相馬市によると、26日朝、同市原釜地区の海岸付近で市内に住む女性(61)の遺体が見つかった。女性の息子(38)の行方が分からず、県警相馬署が捜索している。

大雨をもたらしたのは、西日本から東に進んだ低気圧や台風21号などで、関東や東北地方の太平洋側を中心に広い範囲で24日からの総降水量が100ミリを超えた。特に局地的な前線が形成された千葉県や福島県などでは200ミリ超となった。
国土交通省によると、5県で計27河川が氾濫した。内訳は千葉15▽茨城5▽福島4▽宮城2▽埼玉1――で、浸水被害が出た。千葉県によると、床上浸水は千葉市や八街(やちまた)市などで41棟が確認されているが、茂原市や佐倉市などでも広範囲に浸水しており被害は増える可能性がある。また宮城県丸森町によると、同町で36棟の床上浸水の被害が出ている。
国交省によると、土砂災害も千葉、福島、茨城、岐阜の4県で計16件発生。内訳は崖崩れが15件、地滑りが1件で、県別では千葉10件▽福島3件▽茨城2件▽岐阜1件だった。
道路にも影響が出た。千葉県などによると、26日午後6時現在、県内の道路計237カ所で冠水や土砂崩れなどにより通行止めとなっている。また、首都圏中央連絡自動車道の市原鶴舞インターチェンジ(IC、同県市原市)―茂原北IC(同県茂原市)間の上下線などで通行止めとなっている。鉄道では、盛り土が流出してJR総武線の榎戸(同県八街市)―成東(同県山武(さんむ)市)間で不通になっており、復旧に4日程度かかるという。
安倍晋三首相は26日午前、首相官邸で開いた非常災害対策本部会議で「救命・救助活動に全力を挙げることはもとより、被災自治体や関係機関と緊密に連携しライフラインの復旧、被災者の生活支援に迅速に取り組んでほしい」と指示した。【宮本翔平、高橋秀郎、安藤いく子、杉直樹】