水がどんどん入り愕然・恐怖で身ぶるい…千葉の特養が一時孤立

記録的な大雨から一夜明けた26日、千葉県内各地で河川氾濫や土砂崩れによる深刻な被害が浮き彫りとなった。
長柄町の特別養護老人ホーム「ほしの郷」は施設に入る道路の入り口が倒木や土砂崩れでふさがれ、孤立状態が続いた。川からあふれた水が流入し、床上約20センチまで一時浸水。入居者39人は2階に避難し、難を逃れた。
「水がどんどん入ってきて

愕然
( がくぜん ) とした」。施設を運営する社会福祉法人「共生会」理事の増田千明さん(48)は、浸水が始まったときの様子を振り返る。
25日午前11時頃、近くの山を流れる川から滝のように水が流れてきた。施設の前にみるみるたまり、池のようになった。1階にいた入居者20人を2階に移すことを決め、職員15人で手分けして、エレベーターで2階に避難させた。
その最中に、施設内に泥水が流入し始めた。「電気が止まって、エレベーターに閉じ込められてしまったら……」と、恐怖心で身が震えた。無事に入居者を2階に移したものの、倒木が電線を巻き込んだ影響で停電が発生。床上浸水や、孤立後の対応に追われた。
浄化槽が水をかぶったため、トイレが使えなくなり、入居者におむつをはいてもらった。自家発電機は水をかぶって故障。ミキサーですりつぶしたものしか食べられない入居者に対して、非常食のおかゆをスプーンで丁寧につぶして提供した。「肺炎になってしまう方もいるので、気が張った」という。
26日は朝から倒木や土砂の撤去、電線の復旧作業が行われた。職員たちは施設内を清掃した。昼過ぎに2階の電気は通ったが、1階部分は浸水した影響で、今も電化製品などが使えない。
台風15号、19号の際も数日間の停電に見舞われ、施設の備蓄食料は残りわずかという。増田さんは「今回の雨が、こんな被害をもたらすとは思ってもみなかった。頑張って少しずつ立て直していきたい」と語った。