兵庫県尼崎市立尼崎高校の体罰問題を受けて、同市教委は28日、全市立学校・幼稚園などを対象にした体罰実態調査の結果を公表した。小中高65校のうち88%の57校で児童・生徒本人が体罰を受けたと回答。人数は340人で、調査対象約2万2000人の1・5%に上った。「体罰を行ったことがある」と回答した教職員も100人を超え、市内の教育現場で体罰がまん延している実態が浮き彫りになった。
調査は5~8月、135校園・施設を対象に、児童・生徒の他、教職員約2900人▽保護者約3万5000人にアンケートを実施(回収率85~98%)した。
「体罰を受けた」と回答したのは、小学(4~6年生)42校中39校214人▽中学19校中16校89人▽高校4校中2校37人。「見聞きした」は小学41校432人▽中学17校156人▽高校2校79人。
保護者の申告を含めると、「部活動で平手打ちされた生徒が口から血を流した」などの回答があった。高校では「平手打ちされ鼓膜が破れた」など尼崎高の体罰を中心に回答が寄せられた。
教職員は、小中高校で114人が2013年度以降に「体罰を行ったことがある」と回答。保育所などを含めると131人に上った。「叱る時、胸ぐらをつかんだ」などの申告があった。
市教委は年度内に詳細な聞き取りなどを実施し、体罰の有無を正式に確認する。稲村和美市長は「再発防止につなげていく必要がある」と話した。
尼崎市では5月以降、市立尼崎高校の男子バレーボール部や硬式野球部などで体罰が相次いで発覚している。【近藤諭】
「見える化」したことは前進
部活動や体罰に詳しい内田良・名古屋大大学院准教授の話 体罰の申告件数が多いのは問題だが、調査でここまで丁寧に「見える化」したことは大きな前進だ。体罰での教員の処分は他に比べて非常に軽く、同じ教員が繰り返すケースもある。「見える化」して終わりではなく、しっかり調査し、厳格な処分を下すことが大事だ。