宝塚歌劇出身で映画、舞台、テレビで活躍した女優、八千草薫(やちぐさ・かおる、本名・谷口瞳=たにぐち・ひとみ)さんが24日、88歳で死去した。八千草さんとゆかりがあった人たちから惜しむ声が寄せられた。
プロデューサーの石井ふく子さんの話
存在しているだけですてきな方でした。全身からふしぎな色気が感じられ、透明感があり、年齢を感じさせない方でした。映画スターさんだったので、最初テレビにはご縁がなかったのが「日曜劇場」にご出演いただけてうれしかったことを覚えています。それ以来テレビや舞台でお仕事させていただきました。やさしい心の中にしっかりと芯を持った方でした。日本女性を象徴するような美人女優さんで、和服がよくお似合いでした。
女優の浜木綿子さんの話
驚きました。私が宝塚歌劇団に入団したときにはもういらっしゃらず、退団してから、「放浪記」の初演など、東宝の舞台でご一緒いたしました。本当に美しい方で芯には強いものをお持ちでした。あのお年まで美しさを保っていらっしゃいましたし、まだまだおやりになりたかったと思います。最後にお会いしたのはある方のお葬式でした。最近、山登りしていらっしゃいますか?とお尋ねしますと、年ですからやめましたとおっしゃいました。養生していらっしゃったと思いますが、本当に残念です。また一人、また一人と上級生がいらっしゃらなくなって寂しいです。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
脚本家の倉本聰さんの話
「うちのホンカン」「やすらぎの郷(さと)」など多くのドラマに出演してもらったほか、姉と弟のように私生活でもお付き合いがあった。北海道の富良野に移住した際には一緒に近くに住もうという話もあったくらいで、7月にも一緒に富良野で食事をした。「やすらぎの刻(とき)~道」は、まさか続編があると思わずに前シリーズで八千草さんの役を殺してしまったため、劇中劇のヒロインとして、八千草さんにもう一度出ていただくことにした。かなわなかったが、3シーンぐらいだけ、別の役で出ていただいた(今後放送予定)。八千草さんは色っぽい女性の一面、純粋無垢(むく)な少女のような一面など、引き出しがいっぱいある女優。そうしたさまざまな一面を、もっと書いて引き出したかった。
女優の有馬稲子さんの話
宝塚歌劇団で2年先輩の八千草さんと初めてお会いした時は、お人形さんのようでびっくりしました。そのままお年を召しても変わらずにいらっしゃったのは、ステキなことだと思っておりました。おっとりして見えて、でも芯のしっかりした方でした。お仕事も順調になさって、とっても幸せな人生だったと思います。ご冥福をお祈り申し上げます。
宝塚歌劇団の小川友次理事長の話
宝塚歌劇の娘役を体現したような上品さと可憐(かれん)さをあわせ持った稀有(けう)なスターであり、2014年の宝塚歌劇100周年の際には、宝塚大劇場の舞台で、楽しいお言葉の数々を頂戴いたしました。
故人のご功績を偲(しの)び、心よりご冥福をお祈り申し上げます。