理系私立大学の名門、東京理科大学で今月1日、約1300人の教職員にそれぞれ現金2万円が支給されていたことが分かった。大学当局は「教職員の頑張りに報いた」と説明するが、突如バラまかれた現ナマに、学内からは「時代遅れ」「研究費に充てるべきでは」など疑問の声も出ている。
複数の大学関係者によると、現金2万円は封筒に入れられ、所属長を通じて手渡しされた。普段の給与や賞与は当然銀行振り込みで、このような形で「金一封」が出た記憶はないという。
同封されたメッセージカードには、理事長名で、《教職員の皆様とともに、140周年の目標に向かって本学の価値を高めるべく邁進してまいりましょう》と記されていた。
支給の意図は明示されておらず、創立140周年に当たる2021年は2年も先のことだけに、戸惑う大学関係者も少なくなかったという。
なぜこのタイミングで現金を支給したのか。東京理科大広報課は「本学の決算状況をみると、管理経費が削減されてきた。教職員の頑張りに敬意を表する報い方を年初から検討してきたが、一時金として支給することが適当であろうと理事会で決定して10月1日に支給した」と回答した。
支給総額は約2600万円に及ぶとみられるが、原資については「運用や利益の部分であり、授業料収入は全て学生のための設備投資に充てている」と強調した。
別の関係者によると、理事会では反対意見もあったといい、学内にも疑問の声が少なくない。
ある教職員は「現代にこうした方法がモチベーションにつながるかは大変疑問だ」と語る。
「働きやすさや、研究環境などが大事で、そういう点からもピント外れに感じる。机の中に入れているが、封を開ける気にもならない」
同大のOB会「理窓会」関係者は、「経営陣の中には評判が良くない人もおり、売名行為や人気取りと思われてもおかしくない。OB会もあきれている」と語る。
別の事務職員は「交通費でも、『どこからどこまで行ったか』『どういう目的で』と厳密に帳簿に残しているのに、こういうことをされると、ぶち壊された気がする」と話す。
「現場の研究費がふんだんにあるわけではない中で、これだけのお金を使うならば、もっと優先順位はある。本来は教学に使うべきお金だ」(前出の教職員)という声もある。教員の中には、「受け取るには筋が通らない」として、寄付や災害への見舞金に使用した人もいるという。
批判について、大学広報課は、「今後の参考にさせていただきたい」と述べている。
お金の使い方は難しい。