「1票の格差」が最大3.00倍だった7月の参院選を巡り、弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟で、名古屋高裁金沢支部は29日、選挙区の区割りについて「合憲」と判断し、請求を棄却した。田中寿生裁判長は「違憲の問題が生じるほどの著しい不均衡状態にあったとまでは言えない」と述べた。
二つの弁護士グループが7月の参院選を巡って全国14の高裁・高裁支部に起こした訴訟で4番目の判決だった。16日の高松高裁と24日の札幌高裁の判決は、いずれも原告側の請求を棄却したものの「常識的に許容しがたい格差だ」などと指摘して「違憲状態」と判断した。一方、25日の仙台高裁秋田支部は「合憲」と判断していた。
参院選を巡っては、国会が2015年に公職選挙法を改正し、都道府県の単位を初めて崩す合区を導入。「鳥取・島根」「徳島・高知」両選挙区を創設することなどで16年選挙は格差が3.08倍まで縮まり、最高裁は17年の判決で「投票価値の不均衡状態を脱した」と評価して合憲の判断を示した。さらに、昨年の公選法改正で埼玉選挙区の定数を「2増」した結果、最大格差は、議員1人当たりの有権者数が最も少ない福井と最多の宮城の3.00倍になり、前回選挙より縮小していた。
弁護士グループは「昨年の公選法改正でも選挙制度の抜本的な見直しには至っていない」と主張。各県選管側は、法改正で格差が縮まったことなどを踏まえ「著しい不平等状態にあったとは言えない」と反論し、請求棄却を求めていた。【井手千夏】