仮堤防設置、避難指示を一部解除…千曲川決壊

台風19号による大雨で千曲川の堤防が決壊した長野市

穂保
( ほやす ) 地区で30日、土砂で築いた仮堤防の川側に鋼板を設置する作業が終わり、応急復旧工事が完了した。これに伴い、市は同日、周辺に出していた避難指示を解除した。
国土交通省北陸地方整備局によると、堤防は約70メートルにわたって決壊し、周辺の住宅やリンゴ畑など約950ヘクタールが浸水した。応急復旧工事では、決壊箇所に土砂を盛った仮堤防が17日に完成。その後、より強度を高めるため、長さ約16メートルの鋼板を地面に埋め込んで決壊箇所をコの字形に囲む工事を進めていた。二重の鋼板の間に砕石を詰めた構造で、地上部分の高さは約5メートルになる。
決壊現場から約2キロ離れた赤沼地区の自宅1階が浸水し、2階で暮らしている会社員男性(46)は「24時間態勢で工事を進めてくれてありがたい。とりあえず完成して一安心」とほっとした表情をみせた。
今後、本堤防の工事に移るが、工法などを専門家と協議するため、着工時期は未定という。