奈良・大和郡山市立小の教諭4人「上司や同僚6人がパワハラ」、体調不良で休む 市教委など否定

奈良県大和郡山市立郡山南小学校(鍵本光弘校長)で教諭を務める20~50代の男女4人が9月初めから体調不良で学校を休み、理由として上司や同僚6人からのパワーハラスメントやいじめを訴えている。4人が30日、毎日新聞などの取材に応じて明らかにした。市教委は調査の結果、「県教委のパワハラ防止指針などに基づくと現時点でパワハラに当たらない」と否定的な見方を示し、新たな事実が判明すれば改めて調査するという。
4人は同校の2年と3年の学級担任で男性1人、女性3人。このうち20代の女性教諭は昨年度以降、同じ学年を受け持つ先輩の女性教員から「秘書」と呼ばれて雑務を押しつけられたり、連絡事項を伝えられなかったりといった嫌がらせを受けたという。女性教諭は今年3月、当時の校長に配置換えを求めたが実現せず、4月に現在の鍵本校長が就任後も嫌がらせが続き、7月にストレスが原因の心臓の病気を発症した。
他の3人も、この女性教員を含む教員計6人から厳しい叱責などを受けたと主張。4人は8月末、一緒に学校や市教委に改善を訴えた。学校や市教委は校内で聞き取りし、「パワハラなどは確認できなかった」と結論。4人はいずれも心因性の病気とする医師の診断書を提出した上で2学期開始の9月2日から学校を休んでいる。
4人は「子供たちには大変申し訳なく思っている」と早期の職場復帰を希望し、パワハラやいじめの事実を認めるよう求めている。また、人事行政に専門的・中立的立場で意見する県人事委員会に、職場環境の改善や市外の学校への異動を求める措置要求書を郵送したという。【熊谷仁志】