12酒造所、泡盛を共同開発=沖縄県〔地域〕

沖縄県内の泡盛酒造所12社は、新泡盛「尚(しょう)」を共同開発した。通常1回の蒸留回数を3回に増やし、米麹の優しい甘みと華やかな香りを引き出すことに成功。既存泡盛にはない繊細さと、日本酒にはない力強さを際立たせた。
「尚」は12社が同一製法・銘柄で開発。風味や味わいは酒造所ごとに微妙に異なり、やんばる酒造(大宜味村)は「バナナやマンゴーといった南国フルーツのような濃厚さと、すっきりとした後味を両立させた」、石川酒造場(西原町)は「ドライフルーツのような心地よい渋みが特長」などと説明している。
パッケージは酒造所の所在別に、沖縄本島北部「やんばる」の森をイメージした緑、首里城をモチーフにした赤、海をイメージした青の3色に分類した。
銘柄は、琉球王朝の王家の姓にちなむ。各社とも720ミリリットル瓶で、度数は40度。価格は酒造所によって異なる。一部は県外販売も行う予定。
県酒造組合などによると、泡盛の出荷数量は2004年をピークに年々減少している。酒造所の有志が消費拡大を目指す中、今回の商品開発に至ったという。瑞泉酒造の伊芸壱明さん(40)は、「これまでの泡盛と全く品質が違う。泡盛の新ジャンルになる」と強調した。