茂木再生相に外相起用論が浮上、小泉進次郎氏は官房副長官に抜擢か 内閣改造予想リスト

安倍晋三首相(自民党総裁)は11日、「安定と挑戦」を掲げて、内閣改造と党役員人事を断行する。日米貿易交渉をまとめた手腕が高く評価され、茂木敏充経済再生相の外相への起用論が浮上した。安定的な政権運営のため、政権の骨格は変えず、菅義偉官房長官と麻生太郎副総理兼財務相は留任する。政界のプリンス、新婚の小泉進次郎衆院議員は、官房副長官への抜擢(ばってき)がささやかれている。
「気持ちも新たに、さまざまな課題に果敢に挑戦するためにも来週、内閣改造を行いたい。与党は老壮青、人材の宝庫だ。『安定と挑戦』の強力な布陣を整えたい」
安倍首相は2日、官邸での政府・与党連絡会議でこうあいさつした。
党総裁の任期も残り2年。適材適所で、かつ、悲願の憲法改正論議を前進させる観点で、大胆な人事に着手する。
党役員人事では、二階俊博幹事長の処遇が焦点だ。先の参院選を勝利に導き、続投論もあるが、80歳の高齢を不安視する向きもある。なり振り構わず、二階派(志帥会)に旧民主党出身の議員らを入会させる強引さに党内の不満もくすぶっている。
そこで、衆院議長ポストや党副総裁に落ち着くのではとの観測もある。
幹事長の後任には、岸田文雄政調会長の名前が取り沙汰される。
外相ポストも注目だ。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が「反日・離米・従北・親中」路線をひた走り、日本の安全保障環境が揺らぐなか、毅然(きぜん)と日本の国益を主張できる人材が適役だ。
河野太郎外相の続投論もあるが、徴用工問題で南官杓(ナム・グァンピョ)駐日韓国大使に「無礼だ」と抗議した際、「上から目線」とみられ、評価は二分していた。
茂木氏には日米関係を深化させ、日韓関係の修復にもあたらせる狙いがありそうだ。河野氏は党要職へのスライドがありそうだ。
若手では、西村康稔、野上浩太郎両官房副長官や、首相側近の萩生田光一幹事長代行、三原じゅん子女性局長の閣僚起用の声が上がる。
進次郎氏は、復興相や厚労相への起用論も消えていないが、「将来の宰相候補」として着実に経験を積ませる観点から、永田町では副長官ポストが現実的だとの声がある。
参院役員人事では、吉田博美・党総裁特別補佐が、世耕弘成経産相を後継の参院幹事長に後押ししている。元五輪選手の橋本聖子氏の五輪担当相への起用論もある。
実に大幅な布陣となりそうだ。