1400万年前の巻き貝化石が日本海側で初めて発見

新潟県糸魚川市は30日、市内の約1400万年前の地層から原始的な巻き貝のオキナエビスの仲間の化石が発見されたと発表した。太平洋側では発見例があるが、日本海側は初めて。日本列島形成過程などの謎を解く貴重な資料としている。フォッサマグナミュージアム入り口で公開している。
発見したのは、市内に住む翻訳業のエマ・ロングホーンさん(51)と古見浩さん(59)。2人はフォッサマグナミュージアムの化石研究グループに所属する市民。今年7月、同市今井の今井層で火山灰が固まった凝灰岩から見つけた。大きさは高さ約3センチ、殻の幅は3・62センチ。オキナエビスに詳しい葉山しおさい博物館(神奈川県葉山町)の学芸員、倉持卓司さん(46)に鑑定してもらい、オキナエビスの仲間の化石と判明した。倉持さんは「太平洋側と日本海側で共通した類似の化石が発見され、日本列島形成の謎を解く重要な発見だ」とコメントを寄せた。
フォッサマグナミュージアム学芸員の茨木洋介さんは、生息していた当時、フォッサマグナは海で、つながっていた太平洋側から入ってきたのではないかと推測している。
オキナエビスは、別名「長者貝」とも呼ばれる。「生きた化石」の代表として、現在でも暖かい太平洋やインド洋などの水深100~500メートルに36種が生息している。国内では千葉県や静岡県の恐竜絶滅後の新生代の地層から化石が発見されている。【浅見茂晴】