動画配信中に滑落 男性が守らなかった富士登山3つのルール

動画を見てショックを受けた人もいるのでは。

10月28日、富士登山の様子を動画でライブ配信中に、撮影者の男性が山頂付近で滑落。男性の捜索は同30日朝から再開され、残念ながら遺体で見つかった。

「男性はこれまで数回、富士登山をしていたようですが、動画を見る限り防寒対策もできていないアマチュア登山者でしょう。富士山は現在、7合目付近まで積雪し、滑りやすい状態。視聴者のウケを狙ったのかもしれませんが、装備も整えず、スマホ片手に動画を撮りながら登っていたとしたら、無謀すぎますよ」(地元メディア関係者)

富士山は9月10日に夏山シーズンが終了し、現在は閉山中だ。登山道も閉じられている。ところが、期間外にも登ろうとする無謀な登山者は後を絶たないらしい。

だから「富士山における適正利用推進協議会」(事務局=環境省、山梨県、静岡県)では、夏山期間外のガイドラインを設けている。

①万全な準備をしない登山禁止②登山計画書の作成・提出③携帯トイレ持参といった3つのルールがあるが、「あくまでガイドラインで、罰則規定はありません」(静岡県富士山世界遺産課担当者)。

期間外は登らないでくださいという“お願い”みたいなものだから、亡くなった男性のような登山者が現れるわけ。

環境省の調査では、富士山の登山者数は2016年=24万5675人、17年=28万4862人。例年20万~30万人が登っているが、これは夏山期間中の数だ。

「各登山道に設置してある赤外線カウンターは、閉山すると外してしまうので、期間外の正確な登山者数は分かりません」(前出の担当者)というが、期間外の遭難事故は決して少なくない。

「富士登山オフィシャルサイト」によると、富士山の16年の遭難者数は111人で、うち42人が期間外。17年は83人中29人で、死亡者数にいたってはそれぞれ10人中8人、7人中7人と、死亡事故はほぼ期間外に起きている。

同サイトでも〈富士山は標高3000メートルを超える高山〉〈決してやさしい山ではありません〉と注意喚起しているが、それほど期間外の富士登山は危ないのだ。

「滑落したとみられる男性は登山計画書も出しておらず、さらに危険な単独登山だったようです。ライブ配信しているから何か起きても大丈夫と、高をくくっていたのかもしれませんが、いずれにせよ、3つのルールのいずれも守っていなかった可能性が高い」(警察関係者)

山を甘く見ては絶対にダメだ。