東京都足立区は1日、区医師会に委託して実施した昨年度の大腸がん検診を受診した区民107人に、精密検査が必要なケースもある「陽性」の結果だったにもかかわらず、誤って精密検査が必要ない「陰性」と記載した受診票を渡していたと発表した。医療機関で検査結果を転記する際に誤ったという。現時点で健康被害は確認されていない。
区によると、検査は40歳以上の区民を対象に昨年4月から今年2月に実施し、4万6747人が受診。区は今年10月24日、検診結果が「陽性」にもかかわらず精密検査の受診確認が取れない4021人に受診を勧める通知を発送した。しかし、複数の区民から「病院から陰性と告知を受けた」と連絡があった。
医療機関に確認すると、60医療機関の107人について検診結果が「陽性」なのに、受診票には「陰性」と記載され、総合判定は「異常なし」と通知されていた。また、9人は「陽性」と記載があったが、総合判定が「異常なし」とされた。9人は医師の問診などで検査が必要ないと判断された可能性もあり、原因を調査する。
区は107人に連絡し、謝罪と精密検査を受診するよう伝える。うち既に連絡した1人から「去年分かっていれば、もっと早く精密審査を受けられた」との声が出た。
区はダブルチェックの徹底を区医師会に指示し、再発防止に向けた調査委員会を立ち上げる予定。近藤弥生区長は「再発防止に向けて、制度の抜本的な見直しを行う」とコメントした。【川上珠実】