あす11月1日は「紅茶の日」。キリンのロングセラー『午後の紅茶』のラベルに描かれた女性のイラストは、アンナ・マリアという実在の女性をモデルにしているそうです。彼女を選んだ理由について取材しました。
【画像】モデルになった女性の肖像画はこちら。帽子はかぶっていません。イラストの変遷や初代午後ティーも
午後の紅茶とは 1986年10月に、日本初のペットボトル入り紅茶として発売された「午後の紅茶」。ペットボトルで出すことで量販店やコンビニエンスストアへの参入を狙った商品でした。 それまでの缶入りの紅茶は甘すぎて、どれも売れ行きはいまひとつだったなか、「家庭でも手軽に飲めるおいしいリーフティーの本格紅茶を」と企画。 ところが、いざ開発に取りかかると、熱い時には透明で澄んだ色をしているものの、冷めると白くにごってしまう紅茶の特性でペットボトル化が難航。 「濁らないようにするのではなく、濁りを取ればいいんだ」と発想を変えた結果、当時は画期的だったクリアアイスティー製法を生み出したそうです。
商品名の由来 もうひとつ悩んだのがどんな商品名にするか。 ティーパーティ、ティースポット、ティースプーン……思いつくような言葉はすでに商標登録されていて使用できませんでした。 そんななかで、紅茶関係の書籍に必ずといっていいほど登場していた印象的な言葉が「アフタヌーンティー」。 それを和訳し、紅茶が作るくつろぎのひとときが日本にも根付くことを願って「午後の紅茶」と命名したそうです。
イラストの女性は そんな午後の紅茶のラベルに描かれているのが、貴族風の女性のイラストです。 「イラストの女性は、7代目ベッドフォード公爵の夫人アンナ・マリア(1788~1861年)です。イギリスの習慣であるアフタヌーンティーの習慣を始めたと言われる人物です」 そう話すのは、キリンビバレッジのマーケティング部で午後の紅茶ブランドを担当している東桃子さんです。 朝食と夕食の1日2食で生活をしていたイギリス貴族の空腹時間を満たすための習慣として定着していったアフタヌーンティー。 その創始者と言われるアンナ・マリアのイラストをパッケージに描くことで、本物の紅茶のイメージを強調し、日本にもアフタヌーンティーを根付かせたい、との思いを込めたそうです。
現在はブランドシンボルに 当時の貴族の装いや風俗を参考にしながら描かれた、帽子をかぶったアンナ・マリアのイラスト。 当初はラベルの側面でしたが、ヒットを受けて発売2年後には正面に移動。2006年と2015年にリニューアルで、若々しい印象に変わりました。 何度かリニューアルを経るなかで、一時期ラベルから消えたこともありましたが、現在は「ブランドシンボル」と位置づけられています。 2019年上半期の紅茶飲料市場は拡大しており、午後の紅茶ブランドも過去最高の販売数量を達成。まだまだ伸びしろがあるカテゴリーだといいます。 「日本にも紅茶の本場イギリスの習慣を根付かせたいとの思いで、彼女のイラストをパッケージに描いています。これからも時代のトレンドやお客様のニーズに合わせて進化を続け、紅茶の新たな魅力やおいしさをお届けしていきます」と東さん。