台風19号 誤った水位データ基に笊川樋門の職員退避、氾濫との関連調査

仙台河川国道事務所は10月31日、台風19号の豪雨があった12日深夜、仙台市太白区袋原の名取川と支流の旧笊川(ざるがわ)を仕切る笊川樋門(ゲート)の操作員2人の退避について、別の場所の水位計のデータに基づいて誤って実施したと発表した。退避後しばらくは遠隔操作をしていたが、その後ゲートの水位計からのデータは漏電で把握できなくなった。旧笊川近くの太白区郡山地区では旧笊川の氾濫で浸水被害が起きており、関連性を調べている。【吉田勝】
同事務所によると、ゲートの操作要領ではゲートに設置されている水位計の数値によって退避するかを判断すると定義している。しかし、同事務所名取川出張所の職員がゲートから名取川上流約2キロ付近にある名取橋水位観測所の水位計のデータと取り違え、12日午後10時20分ごろ誤って退避を指示した。
その際、操作要領ではゲートを完全に閉鎖してから退避することになっていたが、操作員はゲートを開けたまま退避。午後10時50分ごろに、名取川から旧笊川に水が逆流していることを確認したため、遠隔操作でゲート閉鎖を開始し、約30分後に完了した。
翌13日午前1時半ごろ、漏電によってゲートの水位計のデータが更新されないことを確認。午前4時前に操作員を再び現地に派遣し、旧笊川の水位が名取川より高かったため、ゲートを開けて排水した。水位差は50センチ程度だったという。
同事務所は浸水域調査結果を基に浸水過程の再現を図るため解析を進めている。結果がまとまり次第、年内をめどに住民説明会を開く予定。奥田秀樹所長は「ゲート操作と旧笊川の氾濫の因果関係についてはまだ分からない。人為的ミスと想定外の漏電などがあったことは事実。データが把握できなくなった後の時間帯で、もう少し早くゲートを開けることはできたかもしれない」と話した。