福島県南相馬市職員の大内涼平さん(25)が、台風19号で住民対応にあたった後、車で帰宅中に死亡したことについて、市は5日、原因などを調査する第三者委員会を今月中に発足させると決めた。大内さんが職場を離れる際、帰宅ルートにあたる小高川流域には避難指示が出されていたが、上司が帰宅するよう指示していた。第三者委は、この指示が適切だったかなどについて検証する。
大内さんは10月12日夜、同市の小高区役所で災害支援物資の運搬などに従事。翌日午前0時半頃、上司から帰宅指示を受け、約4キロ離れた同市原町区の自宅へ車で向かった。約10分後、「車が浸水した」と職場に電話した後に連絡が途絶え、同日朝、区役所から約1キロ離れた県道交差点付近で溺死しているのが見つかった。
大内さんが職場を出た時間帯は、付近で雨が降り続き、大雨特別警報や避難指示が出されていたうえ、小高川の氾濫で一帯が冠水していた。
第三者委メンバーは防災や法律の専門家らを予定し、年明けに再発防止策も含めて調査結果を公表する。門馬和夫市長は5日の定例記者会見で、帰宅の指示について「翌日業務に備える必要があった。今のところ市の対応で明らかな過失はなかったと考えている。調査で詳しく調べる」と語った。
大内さんの父、敏正さん(56)は「なぜあの大雨の時に帰宅の指示を出したのか。市の責任を明らかにしてほしい」と話している。