演奏する難しさから「悪魔が発明した」といわれる蛇腹楽器「バンドネオン」のプロの演奏家として国際的に活躍する福岡市中央区の川波幸恵さん(40)が10日、実際は演奏していないのに演奏しているかのように見せる「エアーバンドネオン大会」を開催する。風変わりな企画に挑戦するのは「へんてこりんな楽器を楽しめる世の中にしたい」との思いからだ。【一宮俊介】
19世紀にドイツで生まれたバンドネオンはアルゼンチンタンゴの伴奏に欠かせない楽器だが、日本ではなじみが薄い。一見アコーディオンのようだが鍵盤はない。代わりに両側に計71個のボタンが並ぶ。ただし配列はピアノのような「ドレミファソラシド」の音階順ではなく、同じボタンを押しても中央部分の蛇腹の押し引きによって音が変わる。扱いの難しさが「悪魔の発明」とされるゆえんだ。
川波さんは福岡県宗像市出身。6歳からピアノを習い音楽に親しむ中、高校3年の時にNHKの番組でバンドネオンを知り「歯切れ良いリズムがスカッとする」と印象に残った。
進学した東京音楽大ではピアノを専攻したがバンドネオンを諦めきれず、中古品を入手し独習した。プロのバンドネオン演奏家にも師事し、腕を磨いた。
2015年に米国で初開催された国際コンテストで優勝。国内外で活躍する中、バンドネオンは演奏が難しいからこそ「音楽は楽しむもの」という原点に立ち返れると考えた。バンドネオンを広く知ってもらおうと自らがエア大会を企画。県内外の7組9人が出場することになった。川波さんは実際に演奏を披露する。
エアーバンドネオン大会は10日午後2時に福岡市中央区天神2のソラリアプラザ1階で開演(観覧無料)。8日には同区天神1のアクロス福岡円形ホールで1日2公演の通常のソロコンサートも開催する。開演は午後2時半と午後7時半。問い合わせは事務局(080・3952・0123)。